浅草放浪記
noteを書こうと思い立った。
なぜかと言うと、最近本の感想やらをちょこちょこ書いていると、なんだか自分でもいい文章が書けるのではないかと錯覚してしまったから。
なんて浅い考えなのだろう。
とにもかくにも、物は試しということで。
いざ書き始めたはいいものの。
大事なことを忘れていた。
何から書き始めればいいんだろう、と。
普通は書きたいことがあって書き始めるものなんだろうけど、noteが書きたいという部分から始まっているので中身が追いついていない。
ランニングシューズが一人でに走っているような違和感さえ感じる。
せっかくの最初の記事で
記念すべき最初の文章で
それはもう気合が入る一発目。
腕をまくり上げて、意気揚々とパソコンをカタカタさせたはいいものの、実際カタカタ音が鳴っているだけで、微塵も文章は思い浮かばない。
割と雑多なことを書きたいので、別に最初がどんな文章だろうが構わないのだけど、それでも一発目ぐらいは堂々と船出を飾りたいもの。
そういうものでしょ。
と、無駄にあれこれ考えた結果、浅草放浪記になった。
非常に無難な着地点と言える。
安全第一がモットーなので。
◇
今、自分は東京の下町「浅草」で生活している。
ずっと大阪の実家で生活していたことを考えると、それはもう一世一代の大ごとだった。母親が随分と引っ越しの準備で張り切っていたのがそれを象徴している。
配属先を言われた瞬間、「浅草って東京だっけ」とか漠然としたことしか頭に浮かばなかったし、上司から「浅草はスカイツリーも近いし、遊び放題やな」と言われても、普通に「そうですね!遊びに行きます!」と仕事で行くとは思えない、とち狂った返ししかできなかった。聞いた相手は苦笑いしていた。
そんなこんなで浅草にきて大体一年半が経過した現在。
書いていて時間の流れの速さに恐れおののいている。
さすがに一年半も経過すると、だいぶこの地に慣れてきたように思う。もはや第二の故郷とも言える。
いや、言ってみたかっただけだが。
ところで、浅草も下町なのでちょっとした治安の悪さはあるっちゃある。
印象的なことと言えば、こっちに越して来た頃、家の裏に置いていた自転車のベルだけ無くなっていたことがあった。
自転車のベルなんて、あの部分についてないと何の意味もなさない気がするけど、それでもベルだけテレポートしたみたいに綺麗に盗まれていた。
未だに行方は知れない。探す気もまるでない。
◇
そんなことがありながらも、まあ住んでみて思うのは、温かい人が多いなぁということ。
近くのパン屋さんでは、自分は貧乏大学生と勘違いされているんじゃないかと思うくらい、おまけやらサービスやらをしてくれる。
カジュアルな居酒屋さんに1人で飲みに行ったときは、常連さんと常連みたいな雰囲気を醸し出していた一見さんに挟まれて、自己紹介させられた。
自転車のカギを無くして自転車屋さんに直しに行った時も、財布忘れて「すいません、、出直してきます、、」と言ったら、「先に修理してるからその間に取りに行ってき」と優しく対応してくれた。
稀にみる本気のダッシュで家を往復した。
こうやってみると
単純に大雑把な人が多いだけかもしれん。
でも、こんな感じで、なんだかんだ優しい人が多い。
治安が悪いと言われがちな下町だけど
そういう温かさに救われる部分もあるのだ。
自転車のベルの一つや二つ盗まれようと
寛大な心で許してあげようというものだ。
今、浅草は例年とは様相が異なっていて、外国人の観光客も少なくて、少し活気が無いように感じるかもしれない。
経営が立ち行かなくなって、閉まっていく店も多い。
けれど、とても温かくて親しみやすい人たちや、おいしい食べ物や、阿保みたいに昼間から飲んでるホッピー通りの住人も待っている。
賑やかで温かい街なので、東京に来たらぜひ立ち寄ってみて欲しい。
とりあえずこんな感じで。
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