マガジンのカバー画像

USA・MAP

92
ウサギノヴィッチにエッセイマガジン。主に短編小説の書評のようなエッセイ中心だが、文学周りだけでなく、サブカルやガジェットまで取り扱う、なんでもエッセイ。
運営しているクリエイター

#読書レビュー

お知らせ

どうも、 ウサギノヴィッチです 約一ヶ月半続いてきた短編レビューの連載を休止致します。 また落ち着きましたしたら、再開いたします。 下手なレビューにお付き合いいただきありがとうございました。 また、帰ってきたらよろしくお願いします。 それじゃ。

ちぐはぐの中に込められた本当のテーマとは?(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    今日は僕の解釈じゃないことを披露したいと思います。その作品が難しいとかじゃなくて、書いてるなにかをより知りたかったから、自分で調べてみました。    今回の作品は、多和田葉子の『盗み読み』です。  主人公の女性は、色々な職業の男性と会いますが、その会話はちぐはぐです。ただ、その会話には、実は意味があって、ジェンダーのことについて話しているのでした。    実は大学生のときにジェンダーについての講義を取っていて、A判定までもらったのに、実

無限に読める本からSF的発想へ(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    無限に読める本がこの世に存在するのであればあなたはどうしますか?  始まりもなく、終わりもない本がこの世に存在したら、あなたどうしますか?    今回読んだのは、ボルヘスの『砂の本』です。  無限に読める本を手に入れる男の話です。    僕は、自分の好みの本だったら、寝る間を惜しんでも読んでみたいとは思うのですが、自分の興味範囲外だったら、どうでもいいかなぁなんて思いますね。  今までのレビューを読んでいただければわかるのですが、幻想文

戦争のあとで(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    令和になってから数日経ちますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?  今回読んだのは、小島信夫の『アメリカン・スクール』なのですが、いかにも昭和、戦後直後というような感じのお話で、元号が変わった今お話するのは、なんだか自分ではくすぐったような、でも、ある種今だからこそこの作品なのかなというのもあるかなと思っています。    あらすじは、戦後直後。アメリカン・スクールに学校見学にいく教師達の話です。そこは日本でありながら、異国のようで、教師

祈りとは愛だ!!

 どうも、ウサギノヴィッチです。    いきなりですが、神様というのは存在するのでしょうか?  我々、日本人は神様と仏様を一緒に拝んでいる人種です。さらにクリスマスがきたら、頼んでもいないのに、キリストの誕生日なんかも祝っちゃって、なんて太平楽な人たちなゆでしょうか。  ただ、どこかに僕の嫉妬が混じっていますが、そういうことが言いたいのではなくて、結局、神様は信じた人の所にいるのではないかということが言いたいのです。  これは宗教の勧誘とかではなくて、アニミズム的な発想です。

ル・自転車で池袋にくるジオ(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    人は死の間際になってなにを考えるのか? 僕はきっとなにも考える隙もないまま死んでいくと思います。もし、健康に死んでいくとしたなら、なにを思うのだろうか? 今やっている同人活動のことは思い出すのだろうか? それよりも昔の嫌だった子供の頃も思い出すのだろうか? 未来のことだからわからない。でも、人は年を取り死に向かっていく。そして、それが本当に近づいたときに人はなにを思うのか? 今回読んだ作品で、僕は考えさせられた。    ル・クレジオの『

SFに敗北す(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    みなさんは、文系でしたか? 理系でしたか?  僕はガチガチの文系でした。歴史が好きでした。ちなみに、現代文はそんなに好きではなかったです。教師から小説や評論の読み方を教わってもなんにも意味がないと思っていたし、人前で立って読まされるって言うのが嫌でした。  なのに、今は小説を書こうをしてるなんて、笑い話ですよね。しかも、小説だけじゃなくて、小説のレビューなんかも書いている。  いやぁ、人って何があるかわからないですね。  さて、なんで文

幸福の手紙と不幸の手紙は同じものだよ(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    もし、知らない人からあなたに近しい人の密告のメールが来たらどうしますか?  あなたは信用しますか?  それとも、そのメールを放置しますか?    フィクションとは不思議なもので、そんな手紙が来たら、密告された相手に確認の手紙を送って確認をして、密告者を探してしまうもので、それを放置するようなことは全然しないのですね。  じゃないと話が進まないから、特に短編だと。長編だと、そんな手紙が来ていたなぁと保留をしていて物語を続けてしまうものです

過去に寄り添いながら(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    今日は長編が読み終わったので、その本について語りたいと思います。    朝吹真理子の『TIMELESS』です。  ある恋愛感情も性関係もないカップルが結婚して、「交配」して妊娠するまでが第一部。  第二部が、その「交配」によって生まれた子供の話。父は子供の前からは逃げるように消えてしまって母一人で育てている  ざっくり言ってしまえばこうなるが、実際はウミとアミの過去に遡ったり、現在になったり、その子供のアオと異母姉弟の過去の話になったり

多くを語らないということ(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    人の性格は、根源的なものは変わらないにせよ、表層的な部分は環境によって変わる。  それは自分がいい例だと思っている。  一月から職場が変わり、それによって新しい人間関係ができたし、職場内でのキャラクターを自分に作った。それは素に近い部分ではないものの、それに近い部分はある。  仕事を一緒にやる人達は家族よりも長い時間共にする。  最初の方は人見知りをして喋れなかった自分が、先輩社員のおかげでふざけた話もできるようにもなった。  最初に言

生と死の悲喜劇(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    今回はサマセット・モーム『サナトリウム』を読みました。  サナトリウムという場所は不思議な場所でら生と死が隣合っているにも関わらず、喜劇にも悲劇にもなる。モームの作品は、喜劇と言えるだろう。ただ、人は死ぬ。それはそれとして、クールにかわして、いや、ドラマティックにはなっているが、それを飲み込むような展開がその先には待っている。  物語の最後で結核のカップル。男は結婚すれば寿命が半分以下に縮まる。女は安静に暮らしたらそこそこ長生きできると

イマイチハマらないパズルのピース(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    小説を読んでいて、いまいち理解出来ないところがあって、そこを埋めようとしても時代背景だったり、その時の風習、習慣、考え方や思想というのにぶつかるときがあります。特に海外の小説には多いのではないのでしょうか。  今回読んだ短編は、フォークナーの『納屋は燃える』という短編です。  フォークナーなアメリカ人で作品の時代背景的に、黒人白人の問題を普通に出してきます。そのときの日常を知らないと言い切ってしまうのは、あれなのですが、でも、ニュアンス

たまにはそういう作家もいるということ(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    今回はレビューしにくいです。コルタサルのレビューしにくさではなくて、ちょっとじゃなくてけっこうなグロが入っているので、ノートに書いても規制が掛かりそうなので、大雑把にしか書けません。    読んだ本は、木下古栗の「グローバライズ」という本です。  帯の所に「抵抗力に自信のない方は読まないでください」と書いてあって、でも、アメトーークでも紹介されてるし、なんか面白ほう! 立ち読みしないで買いました。  それが間違えだったのかもしれません。

美しい日本語とは?(ウサギノヴィッチ)

 どうも、ウサギノヴィッチです。    キレイな言葉を並べて、キレイなものを表現する。  自分にそんなことが出来ているのか?  いや、出来ていない。  このレビューでさえ、誤字や脱字があるし、同じような言葉が等間隔で、毎回登場してきている。 「言葉には限界があるのだろうか?」 「言葉で表現出来ないものなんてあるのだろうか?」  ふと、僕は考えた。  言葉の組み合わせは無限にあるが、その中で意味が通るものは数少ない。まして、さらにそこで人の心を打つような言葉なんてごく僅かだ。そ