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葛布の帯のこと

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葛布の帯の特徴や取り扱いの具体的なことについてと、それに付随するいくつかの諸々についてまとめています。2019-2020あたりにFacebookページで連載していた記事を転載した…
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記事一覧

帯の場所により使う繊維を変えていることについて・2

私のところで織っている葛布の帯の特徴その他について、比較的普遍的にご参考にしていただけそうなことを書いた過去の記事を、一つずつ改めて見直してご紹介していく、ということをしています。しかし当時「割と普遍的」と思って書いていたことでも、年数が経つと変わっていることも結構あり、先日は丸ごと書き直しました。今回も、以前書いた文章をそのままご紹介するのはちょっと違う感じがして、かといって全部が違うわけでもなく、削除してしまうのも当時の私に申し訳ないので、そのまま残しておき、改めてこちら

葛布の帯の年間生産量について 2

当工房における葛布の年間生産量について以前書いた文章があります。今回、この記事を見直し、多少手直ししようと思ったらほとんどを書き直すことになり全く違う文章になってしまったので、書き直さずに残しておくことにしました。 2020年ですからおよそ4年前です。たった4年で、こんなにも変わるものかと思いました。物事の言語化の感覚や、全体から滲み出るモヤモヤが内に籠っているような雰囲気も今とはずいぶん違いますが、何より大きく違うのは「年間生産量」です。これが違うのですから、そもそも、書

頂いたご感想にまつわること

葛布の帯をお使いいただいている方々から頂いたご感想を一箇所にまとめる作業をしていて感じたことを話しました。

六寸帯または角帯地について 2

webサイトに掲載している「works」には「六寸帯または角帯地」と表記されているものがいくつかあります。 ご依頼があって織ったものは「六寸帯」もしくは「角帯」と単独で表記しますが、ご依頼なく制作したものは「六寸帯または角帯地」と表記します。 六寸帯は六寸、幅約3.788cm×6=22.728cmで、縦方向に真半分に折ると幅約11cmとなり、少し幅広めの角帯としてもお使いいただけます。そのことを明記したく、そう表記しています。 私の考えとして、葛布の帯はできれば芯を入れず

水通しについて

葛布の帯のお手入れの方法について書いたページでは、水通しについて言及しています。 帯ですから、基本的にはそれほど頻繁に洗う必要はないと思いますが、ちょっとくたびれてきたな、とか、汗をたくさんかいた時に締めたな、というような時には、シーズンオフ前に、一度水を通してから仕舞うと、スッキリします。 気をつけていただきたいのは、制作者として責任を持って言えるのは「水通し」ができる、という点で、「洗剤を使って洗えます」とは言っていない点です。色や素材への影響の心配がありますので、市

色移りについて

「葛布の帯の取り扱い」には、念のため、「色移りにはご注意ください」というような文言が入っておりますが、基本的には、通常使っていただく分には、色移りはほとんどしないと考えていただいても大丈夫かと思います。 というのも、帯地の最終仕上げで、「ぬるま湯通し」「葛粉糊がけ」といった工程があり、そこでは、濡れた布地どうしが擦れ合ったり、重ねられた状態で叩かれたりしますが、色は全く移りません。逆に、ここで色が写ってしまったら品物としては失敗となりますし、そのようなものは、販売もできませ

葛布帯の使い心地について

・軽い、体が楽 ・体に沿ってくれる 体と一体になる ・一緒に呼吸してくれている感じ 自然 ・おさまりが良い ・合わせる着物に馴染む、意外と着物を選ばない(一見合わないかな?と思うものでも合わせてみるとしっくりする、悪目立ちしない) ・光沢 私のところで織った葛布帯の使い心地について、多くいただくご感想を簡単にまとめました。ご参考にしていただけましたら幸いです。 日常的に使っていただいている方、ここぞという時にお使いいただく方、皆様それぞれに、さまざまな場面で、自由な発想で

〈続々・葛布の帯の締める季節について〉

葛布の帯は夏ばかりではなく、春〜秋の3シーズン、私などは、葛布の帯が楽すぎて他の帯を締める気になれずに年中使っておりますが、 とはいえ ここ数日の札幌のような30℃超えの猛暑の中では、その本領を一番発揮できるのかもしれません。 葛布の帯の締める季節についての私の考えは、過去にも数度 書き綴っております。 良かったらあわせてお読みください。 * 「葛布の帯の締める季節について」 https://sessou-kuzunonuno.tumblr.com/post/6149

葛布の帯のリペア・リユース

縦方向にこのような節のある糸を使えるのは手作業ならではだと思います。ただ、緯糸の葛が少し浮くので擦れによる切れは少し心配でもあります。 葛布の帯お持ちの方、たくさん使っていただいて、もし、糸の切れなど発見されましたら、なるべく早いうちにご相談ください。修復が可能な段階でしたら、お預かりして直すこともできるかもしれません。 あるいは、お好きな布を継ぎあてて引き続きお使いいただくことも可能ですし、もし、何年も使って頂けて、どうしようもなくボロボロになったら、別布と合わせて帯に仕

<続・色について>

染料をなるべく身近な植物から得るようにしているのは、採取によるその植物や周りの循環に与える影響を自分の目で確かめたいのと、その植物の生き様をきちんと観察し布に織り込みたいのと、限られた色の中での表現の多様性、可能性を追求したいのと、色落ちや色褪せ具合、採取時期による色の違いなど機能面においても検証を重ねたいのと、そうした諸々の理由があるからです。 しかし写真下の紫は「ラックダイ」または「紫鉱」などと呼ばれる染料で市販のもの。本当に久しぶり、数年ぶりに市販の染料を使って昨年染

〈葛の糸は撚りをかけていないことについて〉

緯糸の葛の糸は撚りをかけていません。 これは静岡に伝わる伝統的な手法で、葛の糸の光沢を出すことを優先した結果です。そのため、糸としての強度は撚りをかけるより下がることは否めず、押し並べて強靭な他の草木由来の糸に比べると切れやすいということがあります。 私の織った葛布の帯において、布の中で切れたという例は今のところ無いですが 長年の使用を考えると100%ないとは言い切れません。 もし、お持ちの葛布の帯地で糸のほつれや切れを発見された場合は、進行しないうちに是非ご相談ください

<葛布の帯地のお求め方について>

肝心なことをお伝えしていなかったと思いましたので、改めてお知らせします 葛布の帯地で現在私の手元にあり販売可能なものは、随時更新しながらwebサイトで公開しております。 webサイト内「着物の帯」のページにて ・販売可能なもの ・呉服店様でお取り扱いいただいているもの ・良いご縁を頂き既に手元を離れたもの が紹介されています https://kuzunonuno.com 販売可能なものは価格を表記しています。 ご興味持ってくださいましたら、「お問合せ」からお問合せくださ

〈葛布の帯の保管について 2〉

葛布の帯の締める季節は人それぞれで構わないと思うという事を何度も書いていますが それでも 真冬は出番が少なくなると思います 私も一旦しまいます 前にも一度書きましたが (葛布の帯の保管について) 葛布だからといって特別なことは私はしておらず、着物を保管する通常の方法と同じで たとう紙で包んで桐素材のタンスにしまっています 帯地の状態のものも 和紙に包んで保管しています 10年以上この方法で保管していますが 特に問題が発生したことはありません 中には たとう紙に包まずそのま

<特殊な座繰り糸について>

葛布八寸帯地「oykar」の詳細紹介ページを作りました https://kuzunonuno.com/oykar/ 写真 良く見ていただくと縦方向に地紋のように縞模様が入っているのですが これは経糸に ちょっと特殊な繰り方をして頂いた座繰り糸を使っているためです いつも絹糸をお願いしている群馬県の蚕絲館さん 数年前、お送りしたサンプル布をご覧になって作ってみたくなったと送ってくださった試作糸がいくつかあり、これはそのうちの一つ 私も使ってみたくなったのでお願いしたのです