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〈葛の糸は撚りをかけていないことについて〉

緯糸の葛の糸は撚りをかけていません。

これは静岡に伝わる伝統的な手法で、葛の糸の光沢を出すことを優先した結果です。そのため、糸としての強度は撚りをかけるより下がることは否めず、押し並べて強靭な他の草木由来の糸に比べると切れやすいということがあります。

私の織った葛布の帯において、布の中で切れたという例は今のところ無いですが 長年の使用を考えると100%ないとは言い切れません。
もし、お持ちの葛布の帯地で糸のほつれや切れを発見された場合は、進行しないうちに是非ご相談ください。
完全に元通りとはいきませんが、ある程度の修復は可能と思います。または、パッチワークのように別布を当ててご自身で直されるのも、使い手の歴史が布に刻まれ、唯一無二の帯地となるわけなので、それもまた良いのでは とも思います。

何にしてもいつも使って頂いて、色々の変化に気づけることが、何よりのお手入れになるのだと思います。

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