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〈色数が多くないことについて〉

何かの制作の依頼をする場合には、人それぞれ お好きな色 というのがきっとあると思います

葛布の帯地の制作をご依頼いただく場合も その色柄について 出来るだけお好みに応じたいともちろん思うのですが
同時に
出来ること出来ないことの線引きも しっかりとしたいと考えています

私の場合は 染料をなるべく身近な植物から得ることを軸としており、さらにその数も5〜6種類と限定しています

制作の方向としてあまり多くの色を使わず 色の確かさも含めたシンプルゆえの広がりを模索していきたいという理由からですが

採る植物とその周りの生命になるべく悪さをしたくないということでもあります なので その植物の成長や繁殖の具合を身近に観察できる植物に限定しているという訳です

古くからある染料の多くは 繁殖力も生命力も強いので あまり神経質になることもないのですが 生きているものを切るというのは それであってもなかなかと心苦しく

ご希望に沿って制作することは創作の醍醐味ですが といって もしかするとご希望通りの色柄で制作出来ないことの方が多いかもしれませんが
制約の中の無限の広がりの美を信じ 精一杯のご提案と制作を心掛けています

タイトル写真は葛布八寸帯地「upas」 雪をテーマにした7作目

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