インドネシアのスーパーフード【テンペ】
テンペを知っていますか。インドネシアのスーパーフードとして、徐々に人気が出始めた発酵食品です。
発酵食品は、世の中に多数ありますが、日本や中国由来でなく、インドネシア由来で広まっていることは、非常におもしろいです。今回は、テンペの魅力をお伝えします。
テンペはインドネシアの納豆
テンペ(インドネシア語: tempe)はインドネシア発祥の、大豆などをテンペ菌で発酵させた醗酵食品です。
テンペ菌はバナナやハイビスカスの葉に付着している菌ですが、大豆に付着させて発酵という工程を取るということは、納豆なのではないかという声が挙がりそうですが、実は納豆とは全くの別物であり、風味や味も大きく異なります。
納豆は納豆菌を使用して粘りがでるのに対し、テンペ菌(クモノスカビ)という菌を使用しています。
テンペは、固められたブロック状になっていて、白いケーキのようです。大豆の表面には白い膜が張られている状態になります。例えるならカマンベールチーズのような見た目になり、少し固そうな食感をしているようにも感じられるでしょう。
納豆はあの独特の風味や糸を引く性質がありますが、テンペは同じ発酵食品であっても糸は引きません。しかし、納豆と製造方法が酷似している理由で「インドネシアの納豆」と呼ばれ、その数々の得られる効能から人々に愛されているのです。
テンペの気になる味は・・・
味は淡白であり納豆にやや似ているが、よほど発酵が進んだもの以外は臭気や苦味はほとんど無く、糸を引くこともなく、クセがないので食べやすくなっています。
発酵食品を苦手としている方も多いですよね。
特に納豆は好き嫌いが非常に分かれる食品ですが、テンペは納豆のように独特の風味や味はさほど気にならないです。
口にした方の好みや感じ取り方でも異なってきますが、テンペの味は栗のような味と表現され、ナッツや豆の香りを凝縮したようにも感じます。
テンペは無添加発酵食品
テンペを作るにはまず大豆を水につけて皮をむき、二つに割ってから20分ほど茹でて冷まします。これに酢などを加えて大豆を酸性にし、テンペ菌をふりかけ、薄くならして30℃程度で約24時間醗酵させます。
醗酵時間が長すぎるとアンモニア臭が強くなりすぎてしまい、まずくなりますので、冷蔵保管か、すぐ食べない場合は冷凍すると発酵が止まり長持ちします。テンペ菌の発酵作用でできあがる食品ですので、添加物もありません。
テンペの食べ方
インドネシアでは、テンペはそのままでは、食べません。
食べやすい大きさに切って、塩水やサンバル(インドネシアの香辛料)などに漬けて調味してから油で揚げたり、炒めたり、煮込み料理にしたりして食べます。
一番おいしい食べ方は、テンペを立方体にスライスまたはカットし、表面がパリッと黄金色になるまで炒めることです。
私は、テンペをカリカリと揚げた、テンペゴレンが好きです。
テンペの効能が実はすごい
テンペは馴染みのない方にとっては未知の食べ物という感覚でしょう。
発酵させている白い部分は更に謎を感じさせる食品です。
しかし、テンペは様々な体に与える効能が分かっていますので、テレビなどでも取り上げられています。そんなテンペは女性に嬉しい効能がたくさんありますから、実態について迫っていきます。
テンペは栄養価が高く、すべての必須アミノ酸を含む高品質のタンパク質が豊富です。
大豆タンパク質が醗酵によって消化されやすくなっており、また消化不良や腸内のガスの原因となるオリゴ糖が特に減少しています。イソフラボンやサポニン食物繊維も多く含みます。
ダイエット効果・生活習慣病を予防
テンペには豊富な栄養が詰まっており、中でも食物繊維が含まれているため、食前などに食べておくと満腹感を感じることができます。
また、ダイエットの大敵であるコレステロールもゼロであり、タンパク質なども豊富に含まれていることでダイエット効果を期待することができます。
欧米では、ベジタリアンやビーガンのための肉の代用品としても食べられています。
更にテンペには血管に付いたコレステロールを溶かす役割を持っているため、動脈硬化の予防や、心臓病や脳梗塞などの疾病の予防にも役立ちます。
また、高血圧や糖尿病といった現代病にも予防する働きがあるため、現代社会に生きる私たちにどれほど必要な栄養が詰まっているのか分かる優秀な食品でもあるのです。
テンペの効能には整腸作用やデトックス効果、そして更年期障害の予防や更には抗がん作用まで発揮します。
原料が大豆になっているテンペは女性ホルモンによく似たイソフラボンという成分がありますので、摂取するとホルモンの乱れで起こる更年期障害の予防や乳がんなどの抗がん作用、そして骨粗しょう症などの予防に加え、発酵食品が発揮する整腸作用や食物繊維のおかげで体内のデトックスを促してくれる効能を期待できるのです。
テンペの栄養は優秀すぎる
テンペには数々の効能を得られるだけの理由があり、含まれている栄養も豊富です。
カロリー202キロカロリー
タンパク質15.8g、食物繊維10.2g、カリウム730mg、リン250mg、他にもビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6、ビタミン12、ビタミンEなどが含まれる。数字は100g当たりの含有量 出典:「日本食品標準表2015年版(七訂)」
健康食としても非常に優秀な食品だと言えるでしょう
テンペは是非日常生活に取り入れたい食品
テンペは400年以上前から存在しており、その間テンペを作る技術を学び継承してきたインドネシア料理のひとつです。現在でもインドネシアでは、タンパク質を安価で摂取できる食品として、年間1人当たり7Kg以上も消費しています。
最近は欧米や日本でも健康食品としてクローズアップされており、日本でも日本製のテンペがスーパーなどで販売されるようになってきました。
今日、テンペはその健康的な生活ために世界中で人気が高まっており、数々の優れた効能を発揮するテンペは日頃の健康に気を遣っている方にも最適な食品です。
是非インドネシアのスーパーフードであるテンペの効能を熟知しながら、日頃の食生活に取り入れていくと、嬉しい効能を得ることができると思います。
いつも最後まで読んで頂きありがとうございます。サポートしていただければ、いつも新鮮な魚を獲ってきてくれるインドネシア南スラウェシ州マカッサルの漁民達が少しでも生活が豊かになるような、国際協力に役立てさせていただきます。今はコロナでインドネシアに行けませんが来年から本格始動します。