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宮崎駿最新作「君たちはどう生きるか」鑑賞後レビュー(Facebook投稿転載)

宮崎駿の最新作「きみたちはどう生きるか」をさっき観終わりました。
今日投稿で宮崎駿はアニメーターとしては超1級、作家としては3流呼ばわりしました。
全面撤回です。
映像作家を目指す身として、たいがいの作劇は想定内です。
あぁうまい事やってるなぁ、ここらへんターゲットにしてるのね?ぐらいの見方をしています。
近作では、濱口竜介のチャレンジングなDrive my car(辛口の長崎キネマ旬報友の会で今世紀最高傑作と評されました)、今年は是枝✕坂元裕二の怪物がここ数年のトップだろうと思っていました。
今作はあまり期待せず古くからの信者として、死に水を取ってやろうぐらいの感じで、なかば親戚の葬式に参加するような気分で観ました。
そんなひねくれた私ですが、2時間強の半分、涙が止まりませんでした。
風立ちぬで宮崎駿は自分のジレンマに向き合います。軍事マニアでありながら、平和主義の矛盾した自分に、それでも「生きて」と投げかけました。そんな矛盾した自己を肯定した宮崎駿に「どう生きるのか」と問われても老人の戯言を聞いてやるか、大変でしたねぇぐらいの気持ちでした。
しかし、原作とは全くオリジナルで自分のあるべき姿、私達次の世代にこうあってほしいというメッセージを説教臭くなく、静かに伝える作品でした。大げさに言うと映画史に残るべき作品だと思います。
アニメーター宮崎駿の代表作はラピュタでしたが、アニメーターで作家である宮崎駿の最高傑作は今作だと思います。
今作は素晴らしく、凄まじい作品です。
鈴木敏夫を裸の王様呼ばわりしました。撤回します。
最高の作家であり、納期と予算を守る宮崎駿に何のしがらみもない状態で作品を作らせたかったのでしょう。地位を築いたからこそできる作家を第一に考える素晴らしい仕事です。
素晴らしい映画体験でした😄

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