東京が教えてくれたこと

毎日の日常生活で、山に登りたいと思うときはどんな時でしょうか。

山に登らない方は、自然が恋しくなるときはどんな時でしょうか。

きっと田舎に住んでいる方より都会に住んでいる方のほうが、山や自然が恋しくなるときは多いのではないかと思います。

私も東京に住んでいた(なぜ過去形なのかは後ほど説明しますね)頃は、毎日、山が恋しくて恋しくて仕方ありませんでした。

たとえば、朝のラッシュ時の通学の時です。

やかましく鳴り響く駅のアナウンス。電車を待つ人々は、1日の始まりに心なしか暗い顔をしています。そして、駅に来る列車の車内はすし詰め状態。

最寄り駅に降りれば、スーツ姿の会社員が黙々とコンクリートのジャングルに向かっていきます。

私も大学に行くには、オフィス街を通らないといけなかったため、同じくオフィス街へ歩いていきます。

首が痛くなるほど高い高層ビルが立ち並んでいます。なけなしの木々が所々に植えてあります。道には所々に空き缶が。オフィス街を抜け出すと、無数の車がビュンビュン走る道路に出ます。よく分からない団体が、街頭演説をしています。

どうしてこんなに東京の街は、人が多くて無機的で刺激が多いのだろう。

豊かな自然、綺麗な空気、静けさがある山が恋しい!


と、私は朝の通学でよく嘆いていました。

また、東京にいて山の記憶がよみがえるときもありました。冬の朝、アパートのドアを開けて外に出たときに冷たい冬の風が、私の体を通り抜けていきました。

その風は、山の頂上で受けた風と似ていて、風に触れた瞬間、山に登っているときの記憶が一気によみがえってきました。

このまま大学に行かず、山に行こうかな。

そんな風に思う場面が、東京にいた頃は何度もありました。


東京にいると、無性に山や自然が恋しくなります。今、東京を離れて強く実感しています。私の詳しいことは、後々また書いていこうと思うのですが、私は東京の大学から地方の大学に編入学しました。現在は、自然が近くにあり、のんびりとした地方で暮らしています。

不思議なことに、こちらに来てから山に登りたいと発作的に思うことがなくなりました。山が近くにあること、自然が身近に溢れていることなど、自然を求める欲求が満たされているからだと思います。

ただ、東京にいたころのような激しい山に対する情熱が、以前より薄れてしまったことは少し残念です。東京の無機的で刺激の多いところは苦手でしたが、むしろ、東京にいたからこそ山に夢中になれたのかなと今、振り返って思います。

山・自然vs東京という対立構造を常に意識ながら、東京で生活していましたが、本当は、山とは対照的な環境である東京が私に山の魅力を教えてくれていたのかもしれません。

将来、もしまた東京で暮らすことになったら、今度は東京の嫌だと感じていたことも受け入れられそうな気がします。

今日はここまで。最後まで読んで頂きありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?