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「私はそんなに強くない」

【やすえの「子育てどうしよう? ああしよう!こうしよう!」vol.3】

2009年から5年間、地域情報誌「逗子・葉山タウンニュース」に子育てコラムを執筆していました。
この記事は、その連載の中から、「子育て真っただ中!」のみなさんへのエールになるようなものをピックアップし、一部改稿したものです。
内容は当時のものとなりますことをご了承ください。

思いがけない言葉


三女はからだも大きく元気一杯、
性格もさっぱりしていて男っぽい。

そのせいか友達も男の子の方が多いくらいです。
小学校低学年のころは、相撲や腕相撲でクラスのチャンピオンだったこともありました。

ユーモアのセンスも抜群で、百面相のようなことをして家族を笑わせてくれます。
甘え上手で悩みとは無縁のタイプです。

家族でトランプをしている時のことです。

そんな三女のことを話題にしていると
「私はそんなに強くないよ。」
と、思いがけない三女の言葉。

そのときふと、長女が同じ年ごろにあった出来事を思い出しました。

外から見た自分、心の中の自分


長女は小学1年生の時から5月病など無縁で、帰宅したとたんランドセルを投げ捨てて遊びに行くような子でした。
遊び相手が見つからないと名簿を出してきて片っ端から電話をして誘っていました。
断られてもめげずにどんどん電話をする姿に感心し、この子は友達づきあいでは心配ないと安心していました。

しかしその後、友人関係で悩みを抱えるようになり、過信していた私の心配りの足りなさに母親として心を痛めたのでした。

私自身が子どもの頃、外見からは想像の付かない弱さを理解されずに寂しい思いをしてきました。「人は見かけだけでは判断できない」とわかっているはずの自分が、子どもの繊細な部分を感じ取っていなかったことはショックでした。その時肝に銘じたはずなのに、三女に対しても危うく同じ間違いを繰り返すところでした。


いつでも見ているよ


さらに三女の家庭訪問で担任の先生が
「彼女は男の子とも仲良く遊べるけれど、本当は安心して何でも話せる女友達が欲しいんじゃないかなぁ」
と言うのを聞いて、私の浅はかさにはっとさせられました。

子どもといえども心の中には様々な感情を抱えています。

それを聞き出そうと根掘り葉掘り聞いても逆効果。
子どもが話をしてくれたり、安心するとは思えません。

しかし対話は大切。

たとえ悩みを解決することはできなくても話を聞いてくれる人がいる、弱みを見せてもいい相手がいるというだけで人は救われるものでないでしょうか。
それが母親だったら子どもはどんなに幸せかと思います。

「ママはいつでもあなたの全てを受け入れるよ」

言葉や態度で伝えていこう。
そう決めた私です。


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