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コーヒー屋さんの本屋さん

本をだれかに勧める文章を書くときは、なるべく「情報」よりも「その本とともにある時間」を大事に提案するようにしています。

本の内容を正確に要約して「こんな情報がこの本には書いてありますよー!」と整理する能力が自分にないからというのもありますが笑、情報だけなら本である必要性が薄くなっているのが今ですよね。

本の魅力って、
その1冊と出会って、
その1冊を購入して、持ち帰って、
家について少しパラパラめくって、
ちょっと落ち着いた休日の朝に
お気に入りのコーヒーと一緒に
ゆっくりとその世界に
潜っていく感覚を味わったり、
本棚に入れておいて3年後とかに
ふと思い出して手に取って、
掃除も忘れて読みふけったり、
だれかに貸したり、借りたりとか、
そういった周辺の
「その本とともにある時間」
なんだよなぁって、個人的には思います。

同じように感じてくださる方に、とっても素敵な企画があるので共有させてください。

広島にある自家焙煎コーヒー豆専門店「MOUNT COFFEE」さんの「BOOKS YAMAMOTO」というWEBサイトです。

MOUNT COFFEEが運営するオンラインブックストア。スタッフがセレクトした本を、全て限定1冊、コーヒー豆とセットでお届けします。コーヒー豆はもちろん、読書のオトモにしていただくオリジナルブレンドを。気になっていた本、ジャケ買い、家族やお友達への贈り物・・・・。コーヒーと本のあるひとときをぜひ。

1冊の本と、それにぴったりなコーヒー豆がセットになって売られている「本屋」です。

例えば、こんなシチュエーションを想像してみます。

週の半ば水曜日、ちょっと疲れているとき、最近はなんか楽しいこともないし、そもそも一息ついている感じもしないと気づく。そんなときにこの「BOOKS YAMAMOTO」で、今週末にゆっくり深呼吸するための、本とコーヒーを注文。その週末はいつもよりちょっとだけ早く起きて、部屋の窓を全開にして、散らかった部屋を片付けて、朝の10時。届いたコーヒーをこれまたいつもよりちょっとだけ丁寧に淹れて、一緒に届いた本の手触りを感じながらソファに腰かけて一呼吸。そういえばこんな時間がいまの私に必要だったんだ、と思い出す。

ちょっと抽象的ですが、
「その本とともにある時間」というのはこんなイメージです。

「情報」ではなく「時間」を買いたい方は、このいっぷう変わった本屋のドアを開けてみてほしいです。

(追伸)
ありがたいことに私のZINEは素敵な方の手に渡っていきました。
この嬉しい気持ちも私にとって「その本とともにある時間」です。

21/07/25


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