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5月21日 少子化で生徒数は減っているのに教員数は増えている!?

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→教員数は維持しているが一方で採用の倍率は落ちている、と聞く。先生も大変な職業という認識が広がる中、加えて、他業種でも人手不足の中、どうしたら質を伴った量を確保することができるだろうか?


1869(明治2)年のこの日、京都市に日本最初の近代小学校「上京第二十七番組小学校」と「下京第十四番組小学校」が開校した「小学校開校の日」です。

この小学校は住民からの多くの寄付や献金で作られたもので、国が「学制」を定める3年も前のことです。学制とは、日本最初の近代学校制度に関する基本法令のことで義務教育の始まりになったものです。


小学校。
お世話になったのはもうかなり前で、記憶もあまりないです…

少子化でだいぶ減っているのでしょうか?

文部科学省の「小中高等学校の統廃合の現状と課題」によると、公立小学校の数と児童数の推移は以下の通りです。

<小学校の数>
☑️ 平成元年度 24,608校
☑️ 平成11年度 23,944校
☑️ 平成22年度 21,713校
☑️ 平成30年度 19,591校
と、30年間で2割、数では5千校(!)も減少しています。

<児童数>
☑️ 平成元年度 946万人
☑️ 平成11年度 738万人
☑️ 平成22年度 686万人
☑️ 平成30年度 631万人
と、こちらは33%(!)も減少しています。

少子化恐るべし。

ただ、生徒数の減少ほど学校数は減っていません。これはご想像の通り、あまりなくしてしまうと、通えなくなる児童が出てくることとの兼ね合いです。

文部科学省統計要覧(令和3年版)で先生の数も含めて見てみると以下の通りです。

<小学校数・児童数・教員数>
☑️ 1960年 26,858校、1,259万人、36.0万人
☑️ 1980年 24,945校、1,182万人、46.7万人
☑️ 2000年 24,106校、736万人、40.7万人
☑️ 2010年 22,000校、699万人、41.9万人
☑️ 2020年 19,525校、630万人、42.2万人

ここ20年で見ると、学校数は20%減り、児童数は15%減っていますが、教員数は逆に3%増えています。

これは1クラス当たりの児童数が減ったり、教える教科が増えたりしたため、なのだと思われます。さらに、2020年12月には、40人だった上限を35人以下にすると発表されていますしね。



これから先の話は書こうかどうしようか悩んだのですが、私が書こうか書かまいが事実は変わらないので。

文部科学省の「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」から、小学校の現状を見ていきます。

まず、「いじめ」の認知件数です。

小学校が大きく増えていることが分かります。
これは、平成27年に文科省から各学校へ「いじめを認知していない学校は真にいじめを根絶できている場合もあるだろうが、解消に向けた対策が何らとられることなく放置されたいじめが多数潜在する場合もあると懸念している」という通知が出されたことが大きいようです。実際その時期から急激に増えています。

学年別に見たものがこちらです。

驚いたのが小学校2年生がピークだ、ということです。そのまま捉えるか、高学年になると巧妙化して認知が減るのか、分かりませんが。

次に、「暴力行為」です。

こちらも、小学校が増加していることがわかります。
一体何が起こっているのでしょうか…

学年別がこちら。

こちらは中1がピークになっていますが、小学生は学年が上がるにつれて増えています。

最後に「不登校」です。
こちらは小学生は少ないものの近年増加傾向です。


暗い話で終わってしまうのもなんですが、状況が分かっていませんので適当なことは言えませんが、こうした状況が、少人数学級で少しでも解消に向かうことを願います。

→教員数は維持しているが一方で採用の倍率は落ちている、と聞く。先生も大変な職業という認識が広がる中、加えて、他業種でも人手不足の中、どうしたら質を伴った量を確保することができるだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございました。

一昨年の7月からこのような投稿をしています。以下のマガジンにまとめていますのでよろしければご覧ください。


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