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3月5日 脱炭素と海の酸性化とサンゴ礁

今日は何の日?をビジネス視点で掘り下げ「頭の体操ネタ」にしています。
今日の「頭の体操」用質問例はこちら。

→排出権取引のような、海の脱炭素に貢献する経済モデルにはどんなものが考えられるだろうか?

「さん(3)ご(5)」の語呂合せと、珊瑚が3月の誕生石であることから「サンゴの日」です。

サンゴ
うーん、綺麗な海にある、熱帯魚とか周りで泳いでる?

調べてみると、今、地球が抱える最も大きな環境問題の1つである、CO2増加の直接、そして間接の影響を受けていることが分かりました。

まず、サンゴって動物なんですね。そこから知りませんでした。

サンゴはイソギンチャクやクラゲと同じ刺胞動物と呼ばれる「動物」で、小さな個体がいくつも集まって群体を形成しています。一つひとつのサンゴは下のイラストのようにポリプと呼ばれる本体と石灰質の骨格の部分でつくられています。

枝状やテーブル状、塊状に成長。それが幾重にも積み重なって、サンゴ礁という複雑な「地形」をつくるのです。ポリプには触手に囲まれた口があり、ここで摂食や排泄、産卵などを行っています。細胞内には藻を共生させ、互いに補い合って生きています(三菱商事HPより)。

サンゴ礁というのは、この珊瑚が作った石灰質の骨格が積み重なってできた地形のことを言うそうです。なるほど〜。

「グレートバリアリーフ」、聞いたことがあると思います。
こんなイメージのところです。

「バリア」という名の通り、サンゴ礁は、海洋生態系の中で様々な生き物の住処や産卵場所を提供していて、「海の熱帯林」「海のオアシス」と呼ばれているのです。

サンゴ礁の典型的な地形は以下の通りで、「バリア」の由来が分かります。


さて、そのほかにもサンゴには役割があります。

サンゴはその体内に「褐虫藻」という藻に住処を提供し、代わりに褐虫藻が光合成によって作る酸素等の有機物を受け取っています。また、サンゴは石灰質の骨格を作る際に海水からCO2を取り込んで炭酸カルシュウムとして活用することで海中のCO2濃度の調整を担っているという面もあるそうです。


さて、ここまでがサンゴ、そしてサンゴ礁の基礎知識でした。

冒頭申し上げた通り、このサンゴがCO2増加の影響を受けているのです。

海水の温度上昇が原因と思われる「白化」という現象です。
先ほどご説明した通り、サンゴの中には褐虫藻がいて、サンゴの色はこの藻の色なのです。「白化」というのは、何らかの原因で(おそらく海水温の上昇と言われている)褐虫藻がいなくなったり死んでしまったりすることでサンゴの骨格の色である白になるのです。そうなると、彼らから栄養をもらっていたサンゴも死んでしまうのです。

80年以内にサンゴは絶滅する、という研究もあります。

また、先程のグレートバリアリーフも白化が進んでいるそうです。

サンゴが絶滅してしまえば、サンゴ礁も「バリア」の役割を果たせなくなります。

筑波大学が昨年4月21日に発表した研究によれば、CO2濃度が増え、海洋酸性化が進んだ海は、サンゴや藻類群集に影響を及ぼす(先程の白化ですね)だけでなく、それら(サンゴ礁)を生息場とする魚類群集を大きく変化させることが分かったそうです。

そして、人類がCO2の排出を削減しなければ、魚類の多様性が45%低下し、海から得られる資源量が減少すると予測しています。


このように、大気中のCO2濃度の上昇は地球の温暖化だけでなく、海水温上昇、そして、CO2が海水に溶け込むことでの海洋の酸性化に伴う海洋生態系変化、という、海の中まで影響が及ぶのです。

サンゴの日、調べてみたら、ただサンゴを知らなかった、という以上の大きな問題と関係していることが分かりました。

当たり前ですが、地球環境、全て繋がっているんですね。

…なにかいつになく、綺麗な終わり方で…でも重い話でした…

→脱炭素がビジネスになろうとしている。そのものを減らす、地中に埋める、コンクリートの材料にする、はたまた、空中からCO2を取り出す技術に懸賞金がかけられるという動きもある。この動きの1つには「排出権取引」という金銭に置き換えるシステムが機能したこともある。このように現時点では取引されていないが、「○○権取引」として取引できたら世の中が変わるものは他にあるだろうか?それはどのように機能するだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。
過去の投稿は以下にまとめていますので頭の体操ネタに覗いていただければ幸いです。


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