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一万枚のはがき

デザイナー脇阪克二さんの本「脇阪克二のデザイン」を読んだ。

脇坂さんは、1968年に単身フィンランドに渡り、マリメッコのデザイナーとして活躍。その後ニューヨークでジャック・レノア・ラーセン社の仕事を初め、ワコールインテリア ファブリックのテキスタイルデザインも平行して行っていた。

そして京都でオリジナルブランドのSOU・SOUを始め、今に至る。

脇阪さんのデザインはビビッドな色、可愛らしいフォルムのモチーフが印象的だ。私もそれに惹かれて京都でSOU・SOUの絆創膏を買ったが、もったいなくてまだ使えていない。

この本の中では、たくさんのデザイン画やスケッチなどが載っている。どれもため息が出てしまうほどだが、圧巻だったのがはがきだ。

一日一葉、彼が妻宛てに毎日はがきを出していることが紹介されていた。その数、なんと一万枚。24年間続く習慣というから、驚嘆するしかない。

興味深いのが、わざわざポストに投函するということ。すぐ側にいる相手になぜ? たくさんの人が持つ疑問だろう。

その理由は、出すことで社会性を帯びるからだそう。

この箇所を読んではっとした。なんで多くの人がSNSで言葉を紡ぐのか。自分だって、内に留める日記でもいいはずなのに、どうして公開するのか。

不特定多数に見てもらうということも、社会性を得ようとすることではないのか、と思う。これはまだ思考が必要だと感じているが、とりあえず腑に落ちたので記しておこう。

毎日続けられる何かをしたくて、はがきを描く脇坂さん。そこにちょっとだけ自分を重ねてみたい。昨日で60日更新できたので、ささやかにお祝い。

あと、先日の記事が初めてコンテンツ会議のまとめに入れてもらえたので、それもあって、喜んでおります。皆さま、良い週末、12月の初まりを。


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