こどもの靴選びはその子の未来選び
靴屋をやってる手前どーしても人の靴を見てしまいます。
それは老若男女問わずなんですが、特にこどもの靴が気になってしまいます。最近は次男(年長さん)の友達を見るたびにこれではいかんだろうという思いが強くなり筆を(キーボード)を取りました。
ちゃんとした靴、選んでますか?
サイズも合っていない、形状も良くない、カワイイだけの靴。
ちゃんとした靴を選びましょうよ。
まずはこどもから。
ポイントがいくつかあってそれさえ守ってれば大丈夫です。
①つま先とカカトが芯などで守られている
これめちゃくちゃ大事でして。
芯が入ってると言うことはそこを安定させてしっかり守ってくれるということ。
つま先はモノを落とした時に足指を怪我しないため
カカトは歩く時の軸となるのでしっかり固定するためです。
例えば下記リンクのページは良い靴の好例、イフミーさん。
つま先に芯が入ってるかはこの写真ではわかりにくいですが、本底がめくれ上がってきていてさらに補強革をつけてるのでつま先の保護と歩きやすさも加わってとても良いです。
イフミーさんは安定して良い靴が多い印象です。
じゃあサンダルは全部ダメ?
そう言うことはありません。
つま先保護していて良いのはこう言うカタチ。
下記リンクはナイキさんのうまーくできてるサンダル
カカト周りは覆っていませんがしっかりと位置が固定できるので良いです。
甲の高さも調整できるからよしよし。
大好き、NIKE。
②甲の高さの調整ができるように紐やマジックテープになっている
大事なことは、
「靴の中で足が動かないこと」
しっかりと固定するためには甲の部分で止めないといけません。
なので毎回自分で足を固定できるようなマジックテープや紐が好ましいです。
まぁ紐は難しいと思うのでマジックテープが良いですね。
ゴムですぽっと入れるタイプもありますが、
ゴムで広がる⇨固定する場所が動く=足が靴の中で動く
なのでオススメしません。
こどもが思いっきり走れませんからね。
話が少しずれますが、
ちょっと前の次男の靴でニューバランスなんだけど、
「こどもが自分でしっかり脱ぎ履きできる仕組み」がすごくて感動しました。
一発目のマジックテープだけでなく、二発目の引き手で引っ張ることで履き口を簡単に最大限に広げれるんです。
あとこれもう一つキモがあって、
「テコの原理で甲の部分を少しの力でしっかり固定できる」
ことですね。
ウチも障害者の靴を作る時採用しましたが、非力な方でもしっかり固定できてとてもおススメです。
③足指が曲がるところがしっかりと曲がる
しっかりと靴と足を固定していても、
本底が硬すぎて足裏がべったりついてドタバタと走るようになってはいけません。
正しい歩き方として
「ローリング歩行」
ができない靴だと成長にも影響が出てきてしまいます。
「ローリング歩行」とは。
歩く時にかかる荷重の中心がカカトからつま先、足の外側から内側にあおるように移動させて歩くことです。
(上図:ローリング歩行のイメージ図。カカトから外側を通り前足部に圧力がかかっているのがわかります)
それによって足や脚の筋、腱、靭帯が鍛えられて健康な土踏まずが作られます。
なのでそれを阻害する硬い本底はオススメしません。
これも先日紹介した次男のニューバランスです。
若干硬めですが許容範囲です。
もうちょっと柔らかくてもいいんですがニューバランスは基本硬めで敬遠してたので買ってみました。
まぁ本人希望の赤を買っていったら
「アカはちょっとなー」
と難色示されて(赤色だけに)数回しか履いてないというね。。
④サイズがしっかりと合っている
靴が足に合っているかとても大事です。じゃあサイズ感としてはどれが正解なのか。
それは足のサイズに対して
+0.5〜1.0cm
が適正です。
こどもは成長がめちゃくちゃ早いので2ヶ月でサイズアウトしたりしますが。
「すぐ大きくなるし勿体無いから大きめ(+1.5〜2.0)にしよう」
これ一番ダメです。
普通の靴であれば¥3,000-4,000くらい。
確かに安くはないです。
けど大事な成長期なのでそれくらい安いもんですよ。
その後の人生に影響を及ぼすかもしれないと考えるんであれば。
これは以前に足を測らせてもらった子の足型です(許可済み)。
まだノウハウもわからず見様見真似でやりましたが、この16.0cmの少年が履いていた靴は18.0cmと2.0cm大きい靴でした。
すぐ親御さんとお話しました。
理解いただけて新しいものを次の日には履いていました。
じゃあどうやって選んだらええねん
ではどうやって選ぶか。
わかりやすいのは
「中敷が取り外せる靴があるのでそれに合わせる」
です。
簡単に留まってるだけのモノが多いので外して足を合わせましょう。
注意点として、
しっかりくっついていて取れないものもあるので取るときは店員さんに確認をとりましょう。
嫌がるお店もありますのでね。
そして足を合わせます。
カカトを合わせて中敷の前の部分がどれくらいでるかが大事です。
この出る部分が
1.0〜1.5cm
はみ出ればOKです。
「あれ?さっき0.5〜1.0cmって言ってなかった?」
そうです。
中敷だけに合わせると靴で履いた時に靴が立体のため少しズレがちなのです。
なので0.5余分に見ることがポイントです。
甲周りに関しては
ぎゅっと紐やマジックテープで締めてもパンパンじゃない
という言語化が難しい説明になってしまうのでちょっと伝え方を考えます
ちゃんと合ってるかの確認方法
ちゃんと合っているかな?
不安になりますよね。
その確認方法としては
走っている姿を真後ろから見て靴のソール部分がちゃんと全部見えてるか
です。
これ大事です。
ちゃんと見えてれば
地面をしっかり蹴り上げている→足をしっかり使えている→足と靴がフィットしている
となります。
こどもの足を救えるのはあなた
いかがでしたか?
特段難しいことはなく、
ちょっとしたコツとして覚えておくことと靴選びの時にとても便利です。
こどもに靴を選ばせるとどうしても見た目重視の靴になりがちです。
そういった靴でも良いものもありますが、
基準を満たしていないものもたくさんあります。
もしそのままその靴を選んでしまっていたら、
まだ足が未発達なこどもは靴による影響を受けやすいので、
足が変形したり、成長にも影響を及ぼす可能性があります。
それを防げるのはこのノートを読んでくださったあなたです。
また、交換の目安としては3ヶ月です。
毎日靴を履いている、履かせてると思いますのでその時々にチェックをしましょう。
多くのこどもたちが無事に成長すること祈っております。
追記:今のこども靴ではどう?
さて、ツイッターで出会った尊敬する業界の先輩のブログを拝見しておりましたら上手に言語化していただいておりましたのでご紹介いたします。
非常にわかりやすく紹介していただいており、
「なんとなく感じていること」をわかりやすく言葉にしてくれてとても感銘を受けました。
ちなみにボクのおすすめ上履きはこちら
参考にしてくださいね。
東京は浅草で婦人靴のメーカーをやっておりまして、
オリジナルもやっておりますー。
リンク見てみてください。
Twitterもやっておりますんでお暇な時にぜひ。
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