【アパレル業界の話⑧】ニトリのアパレル参入
ここ数年ずっと話題にのぼっており、最近いくつかの店舗を展開しはじめていましたが、先日の株主総会でM&Aを積極的の行う意欲をみせています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7dd9d83a0c181a7afdaf7244feb3669a24ac9795
ニトリは、実は日本で一番優秀な企業です。32年間連続で、売り上げも営業利益も増え続けています。
狙っているのは、ユニクロよりやや高い価格帯。実際に展開がはじまっているのは、ウィメンズのみで実店舗とECがあります。ニトリらしい切り口としては、カラーパレットごとにコーディネートして単体の商品を選んでいく提案があります。インテリア的発想といってもいいでしょう。
https://www.nplus-netshop.jp/
ECサイトを見るとやや年代は上。ミセスゾーンがターゲットかなと感じます。業界のキングであるファーストリテーリングの対抗馬になりうるにはあまりにもハードルが高いと感じなくはありませんが、試みとして、既存アパレルにはできないことをやる可能性は大いにあるでしょう。
自社ブランドで勝負することからはじめていますがM&Aは必要だと思います。やはりブランディングがどこまでうまくかがカギになるでしょう。家具やインテリアと違って、嗜好品の要素が強いアパレルには商品のクオリティーだけでなく、ブランドへの憧れや共感が必要です。それをどこまで理解し具現化していくのか手腕が問われるでしょう。
ユニクロの場合、ベーシックなカジュアル商品のクオリティーにフォーカスして、圧倒的なコストパフォーマンスを実現し他社との差別化をはかっていますが、ニトリが同じ道を後発でやって優位性を獲得することは難しいと思います。
個人的な意見ですが、ニトリは、無印良品に少しだけデザイン性をプラスした商品を提案し成功したように思います。ユニクロより無印良品の店舗展開やブランディングのほうが戦略の上ではベンチマークにしたほうがよいのではないでしょうか。
以前、洋服だけがファッションではないと解説しました。
【洋服屋の未来④】ファッションと言えば洋服と考えているならば業界に未来はない。|クスオのフクオ @kusuonofukuo #note https://note.com/kusuofukuo/n/n86fe9e0666a3
洋服を含めたライフスタイルがファッショナブルでありたいと消費者は思っていますが、それを提供できているアパレルブランドやメーカーはあまりありません。しかし、ニトリはインテリアやファニチャーを含め洋服を加えて提案できるアドバンテージがあります。
ただ、ニトリやNプラスという創業者の名前がついたブランドが年齢問わずファッショナブルと受け入れられるアパレルを提案をするのは、やや無理があるようにも感じます。エシカルやサスティナブルをストーリー性としてもつブランドをM&Aすることが現実的な答えなのかもしれません。
「お値段以上ニトリ」とはまったく別のコンセプトをもつブランドやビジネスモデルが生まれることを期待しています。
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