【メンズスマートカジュアルの基礎②】ジャケット

前回に引き続きスマートカジュアルのお話。

おさらいですが、基本方式は

〈ジャケット+シャツ+パンツ+レザーシューズ〉

シャツ、パンツ、シューズは脇役として控えめにとお伝えしました。主役なのはジャケットです。早速一番のポイントであるジャケットについて解説していきましょう。

選ぶ時のポイントは3つあります。

1.仕立
2.生地
3.サイズ

まず仕立ですが、基本テーラードのものがオススメ。簡単に言えば、ファストファッションやセレクトショップで販売されている一枚仕立のアンコン(アンコンストラクションの略で肩パッドや芯地、裏地などを取り除いたもの)タイプではなく、薄く肩パッドが入ったクラシックな仕立のものを選んでください。

なぜならば、肩のラインがたわんでいると貧相に見えてしまうからです。また、袖裏がない場合は直接汗が生地に付着する上、着脱がしづらいので注意してください。アンコンは、パーツなどの材料がなくてすむので比較的原価を抑えることができます。ファストファッションをはじめとしたジャケットにアンコンが多いのはその理由です。

ブランドによっては、アンコンであってもキレイな肩のラインを描く仕立ができるところはありますが傾向として高額なものが多く、あえて選ぶ必要はないと思います。

正直仕立の良し悪しついては、一般の人には判別がしづらいと思います。テーラードが得意な真面目で歴史があるトラディショナルなブランドを選ぶことのほうが良いかもしれません。国産ブランドでは、リングジャケットなどがオススメです。
http://www.ringjacket.co.jp/

次に、生地についてお話します。これが最も重要です。春夏秋冬のそれぞれの季節ごとにふさわしいものを選ぶことこそスマートカジュアルを制することに繋がります。生地によって季節感を演出することがとても重要であることを認識してください。当然最低限の知識が必要となります。ここは知っておくべきポイントですので要チェックでお願いします。

ジャケットの生地には、季節を代表するものがそれぞれあります。

春・・ウールシルク、ウールモヘア
夏・・シアサッカー、コードレーン、リネン
秋・・サキソニー、コーデュロイ、ベロア
冬・・フランネル、ツイード、カシミヤ、キャメル

といった具合です。ここをさらに深堀するときりがない上マニアックになってしまうので、一般的に選びやすいように絞り込みます。

春秋・・ウールツイル
夏・・・シアサッカー
冬・・・ツイード

最初に揃えると良いのが、この3つの生地です。ひとつづつ解説していきます。

●春秋は一年中着てもおかしくないものとしてウールツイルをピックアップしました。テーラードの世界では、ツイルにはじまりツイルに終わると言われるぐらいオーソドックスな生地です。

●夏ピックアップしたのはシアサッカー。表面に凹凸がある縦縞のコットン素材のものです。軽くて見た目の清涼感もバツグンです。ジャケット姿であっても涼しく見える典型的な生地です。

●冬ピックアップしたのはツイード。ハリスツイードでもラムツイードでも、ホームスパンでも構いません。ブラック&ホワイトのヘリンボーンが柄としては一般的。丈夫で長持ちであるとともに保温力もある点、機能的にも優れています。特にハリスツイードは独特の雰囲気を醸し出し、ジャケットの王様と言えるものだと思います。

さて、生地についてある程度理解ができたならば、自然に選ぶべきジャケットは見えてきます。その際もしよければ、一番最初に年中着用できるウールツイルのネイビーブレザーを選んでください。とにかく便利です。その実力は以前の投稿で触れているので、よければ参考にしてください。

【ファッション アイテム探訪①】制服みたいと嫌厭されるブレザーに罪はない|クスオのフクオ @kusuonofukuo #note https://note.com/kusuofukuo/n/naf79a720a946

最後は、サイズ。

小柄な人や大柄な人、ウエストが75㎝以下の人や90cm以上の人などは、オーダーすることがベストだと思います。最近ではオーダーも随分と割安になっているので、選択肢に入れて検討してください。

サイズは、やはり店員さんと相談しながらベストサイズを見つけてください。ここ数年、専門的にみて大きめでおかしいと言うより、小さめでおかしいと感じることが増えています。ブランドの展開商品において極端に細みのものや着丈が短いものが溢れている影響かもしれません。胴長の人が短い丈のものを着ると?となってしまうパターンが多いので気をつけてください。全てバランスが重要なので、自分の体型を無視してビタビタのものを選ばないようにご注意を。自分の体型をよく知ることもスマートカジュアルを制する大事な要素です。

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