【ファッション アイテム探訪①】制服みたいと嫌厭されるブレザーに罪はない

みなさんこんにちは。

今回はブレザーの話。知っていますよね。主にネイビーやブラックでメタルボタンが施されたジャケット。たまに見かけると思います。

このブレザー、あまり注目を浴びることはないアイテムですが、とにかく万能です。使い方の腕次第で抜群の効果をもたらすことができるので、是非知識として覚えておいてください。

では、はじめます。

本題に入る前に、夏のビジネススシーンについてお話します。

ここ数年、日本のビジネススタイルはクールビズが浸透してしまい、夏になると「シャツおじさん」だらけになってしまいました。上着を羽織っている人など「暑くない?何かあるの?」と言わんばかりの目線を浴びてしまいます。よって上着を着ている人は少数派。日本ならではの高温多湿を乗り切るためによほどのことがないかぎり軽装で仕事するのは、当たり前。それが至極当然の時代となりました。

そんな日本のクールビズ。シャツ一枚では寂しいと感じるのでしょうか、ボタンの色や衿の形などやたらと過剰にデザインされたものを着ている人をよく見かけます。また、軽装なだけに、あんまり磨いていない先の尖った靴やヒップポケットに押し込んだサイフなどが目に入り、あまり良い光景とは言えません。

もしあなたがビジネス成功するために、第一印象の恐ろしさ、ハロー効果などを認識しているならば、ジャケットもしくはブレザーを着用することをオススメします。

随分前置きが長くなりましたがいよいよ本題です。

そもそもブレザーの由来は2つあります。

・イギリスのケンブリッジ大学のボート部の学生が真っ赤(英語でBlaze)な上着を着ていた。
・イギリスの軍艦ブレイザー号の乗組員がネイビーの真鍮ボタンの上着を着ていた。

つまりユニフォーム、軍服として着用していた服がブレザーの原点です。その後、メタルボタンに所属の団体の紋章を刻印して着用する文化が広がりました。欧米では、一般のジャケットと違って、メタルボタンが施されたブレザーが格式が高いとされるのは、そのような歴史があるからです。

日本では、そのような歴史は露知らず、「なんだか学校の制服みたい」と嫌厭する声をよく耳にします。あながち間違いではありませんが、そこで思考停止してはいけません。そのイメージが強すぎて、子供ぽいとか、ダサイとか決めつけてしまうのは、勿体ないです。

ブレザーそのものの歴史や格式を認識しているブランドが製造したものは、人工繊維で作られた学生服とは、全く違います。試しにアクアスキュータムなどの英国ブランドやブルックスブラザーズなどの米国ブランドなどの、上質なウール素材のブレザーを着てみてはいかがでしょう。なかなか重厚感を味合うことができると思います。

それでは、具体的にどのように万能なのかをお話します。先程由来をお伝えしましたが、実はその2つの歴史=要素を持っていることがブレザーの底力の秘密なのです。細かく解説していきましょう。

要約すると次の5つがあげられます。

・カジュアルシーンで幅広く使える。
(スポーツカジュアルからタウンカジュアルまで)

・ビジネスシーンで幅広く使える。
(夏のクールビズ、冬ウォームビズ)

・フォーマルシーンで使える。
(結婚式、パーティー)

・様々な種類のボトムスと相性が良い。
(ウールパンツ、チノパンツ、デニムパンツから軍パンまで)

・年齢関係なく使える。

ブレザーは、マルチプレイヤー。TPO、コーディネートを考えた時、とにかく便利!

といった具合です。格式が高いアイテムでフォーマルやビジネススタイルに活用できるだけでなく、カジュアルスタイルにおいてもスポーツ、プレピー、アーミー、マリンと腕があればバリエーション豊かに装うことができます。逆に言えばブレザーを使いこなすことができればあなたのファッション偏差値はぐっと上がります。

冒頭にクールビズについて触れましたが、ウールパンツやチノパンツいずれも組み合わせOKなので、ひとつ所有することを検討してもいいでしょう。常時着用しないまでもいざという時きっと役に立つと思います。特に経営者の方、会社の管理職の方にはオススメです。

一点だけ注意して欲しいことあります。それは、素材です。もちろん本格的なクロージングブランドの商品を選ぶことを前提とした場合、同じウール素材であっても春夏物と秋冬物が存在するので、クールビズ用であれば春夏用のトロピカルウールのような薄手のものを選んだほうがいいと思います。色はやはりネイビーを。そうすれば、夏であっても清涼感のある着こなしができることでしょう。

また、友人、知人の結婚式に出席する際、着用することもなかなか粋です。礼服やブラックスーツを着るのは気が進まないという時に、ブレザースタイルはオススメです。チャコールグレイのウールパンツを合わせてクラシックに装うと独特の佇まいになります。特に年齢上になればなるほど味が出ます。

ファッションオタクの人からそうでない人まで、その人のファッションレベルに関わりなく役に立つブレザー。是非自分なりに気に入った一着を探してみてください。

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