〈京都〉書を捨てよ、町に出よう
用事で出町柳のほうにいました。
後から知ったのですが、今日の京都は西日本の中で一番暑かったみたいです。
鴨川デルタのとんがった三角と、空の青さがどちらもくっきりしていて、眺めてるのがとても気持ち良かった。
用事を終え、出町商店街の古本屋さん(ここの商店街には2軒の古本屋さんがあり、どちらも好きな感じのお店です)で100円の本を一冊買いました。
「書を捨てよ、町に出よう」
です。寺山修司の本です。
たまたま最近、20歳前後の頃に観た、
「田園に死す」
という寺山修司の映画のことを思い出していたので、100円で「書を捨てよ、町に出よう」を買えたことは、グッドタイミングの出会いでした。
寺山修司といえば、アングラとかエログロとか社会批判とか、そんなイメージがあり、彼を(彼の作品を)受け入れられない人も多くいる一方で、熱狂的なファンもたくさんいる、若くして亡くなった天才(だと思っています。)
20歳くらいの頃、初めて「田園に死す」を1人夜中に観たとき、気分が悪いと言うか、恐ろしかったのを覚えています。
内容ははちゃめちゃで、
雛人形が川から流れてきたり
イタコさんが集団で歩いてくるシーンがあったり(舞台が青森の恐山)
主人公の少年がなぜか白塗りだったり
村に来ているサーカス団の風船女、というものが不気味だったり
とにかく、なんだか怖かった。
見物客が一人もいない見世物小屋の中を、私だけがこっそり覗いている感じ。
だけど、しばらくじっと映画を観続けると、この映画、ただのエログロはちゃめちゃ映画というわけではなく、きちんと筋の通ったものだということに気づきます。
これを観たのがかなり昔のことなので、どういう点でストンと腑に落ちたのかは覚えていませんが…
でもストンと心に入ってきたことは覚えています。
あーそうか…と。
寺山修司が何を思って、何を伝えたかったのか、理解できたような気がしたのです。←…といいつつ、中身はあまり覚えていないのですが
つまり、この映画は複雑でぶっとんだヤバい作品に思われがちだけど、実は意外とわかりやすく簡潔な作品ということです。
この白塗りの不気味な男の子が、普通に普通の中学生と同じような悩みを抱えた可愛い男の子だったり、包茎の手術をしたくてお母さんにお願いしたり、
画面上では、暗くて恐くておどろおどろしい雰囲気しかないのですが、たまにクスッと笑えたりもします。
今公開されているエヴァンゲリオンの映画も、「田園に死す」に影響を受けたところがあるみたいですね。
本当かはわかりませんが。
ここかな?
寺山修司のことが好きと言うと、ちょっと変な人に思われがちですが、
これを機に、本を読んで色々知ってみようかなと思いました。
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