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ぼうさいこくたい2023 れぽーと3: 今後の事業継続のポイントは?

今回もぼうさいこくたい2023の9月17日の部に行ったご報告です.
3つ行ったうちの最後のセッションですので,もしご興味ございましたら,1つ目,2つ目に関するレポートも併せてご覧ください!


その3: 事業継続(BC)普及セミナー 「関東大震災から100年、これからの事業継続を考える」

こちらはめちゃめちゃ真面目なのですが,今後の企業等の事業継続の在り方についてプレゼンやパネルディスカッションを拝聴しました.

企業を経営したことはないものですから,肌感を持って聞くことができなかったことは残念ですが,観点としてはとても重要なものがあったと思いますのでご紹介します.

そもそも,事業継続(BC)の考え方は,想定される災害に対して,自分の事業へのインパクトを分析し,それが生じたとき,どのようにして事業再開を迅速に行うか,というのがポイントだと思います.
事業がとまった時,提供しているものなりサービスなりがとまると,顧客の方は困るかもしれず,それをいかに早く再開するかが,その後の取引等にもろに関わってきます.その観点から,Recevery Time Objective (RTO,目標再開時間) といった指標を考えながらやっていくものだそうです.

その上での3点ほど.

災害はいつ起こるかはわからないがどれくらいの規模で起こるかは大体わかる.(そして最終的な被害は微視地形が決める.)

だから今対策する,ということですよね.
事業がどれくらいの影響を受けるかはやろうと思ったら想定ができるということです.それがいつ来るかはわからないけれど.

それを具体的にイメージするためにも,また,特に被害想定があるか微妙なエリアでは,結局周囲の小さな地形の違いが被害の有無を分けることも多いので,それも含めて自分の足で回ってみたほうがいい,という教訓でした.
この点は,私自身授業の一環で,自分の地域を回ってリスクを探った,ということがあり,示唆がありました.それもあって,非常にお勧めしたいところです.


オールハザード型で事業継続を考えるということ.

そもそもハザードとは,日本語では災害と訳されてしまうことも多いですが,厳密には災害を引き起こす現象・要因を指します.多くは自然災害でしょう,例えば地震はハザードですが,災害はそのハザードによって建物が倒れるなどした際に発生します.

日本ではやはり地震の印象が強く,それにばかり注目した事業継続計画になりがちなのです.(ただ,実際世界中を見てもかなり集中して起こる場所であることは間違いないです)
ただ,近年毎年のように大規模な水害等が起こっているように,それだけでは不十分,目的達成が難しいという現実があります.

そこで目的に立ち返った時に,つまり,再開までにかかる時間を短くしたいという観点では,結局今の事業において必要な各要素に,どういう種類のどれくらいの程度のダメージが来るのか,ということが重要なわけです.

したがって,そのインパクトを考えられるハザード全てについて評価して,それらのインパクト,生じる障害に関するビジネスインパクト評価(BIA)に重きを置くことがより効果的だ,ということでした.

なるほどなとしか思わない自分がいたことは否めませんが(経営したことがございませんので…),その点などもしご用命いただけましたら,ある程度一緒に考えられるところもあるかなと思っております.


地理的に離れたところに,お互い様のつながりをつくっていく.

とくに中小企業さんであれば,同業他社でも,少なくとも自分のテリトリーと離れたところであれば,協力できることは多くあるはずです,ということだと思います.
やったことない身が言うのもなんですが,そもそも情報共有なども日々の業務において価値あることだと思いますし,そこに災害対応に関することも含めていくイメージだと思います.

そういうつながりの中で,事業継続の協定を結ぶ形などで,自社の事業が災害等によって寸断された場合に,供給先として代わってもらうことで,契約を維持し,再開した後の取引の継続がうまくいったという好例も多くみられるとのことでした.

全体として日本が災害多発地帯であることは否めませんが,その日本の中でも災害発生は偏在しているのです.その点でも地理的に離れたところ,特に,自社が特に影響をうけそうなハザードと違うハザードの危険性の方が高い地域の他社と関係性・連携を深めることは,災害の対策としてとても効果が高い可能性があります.

もちろんそういったことが考えにくい業態もあるかとは思いますが,お互い様の輪,恩送りの輪を広げていくことはとてもレジリエンスが高まることだなと感じました.


最後に

月並みな感想にはなりますが,ほんとにたくさん,しかも様々な切り口,様々な立場からのアプローチがあって,とても期待を持てるような会だったなと感じています.もちろんそれで今の災害外力の強さに十分かというとそうじゃないのかもしれないけれど,だからこそ,私自身も何かしらの形で貢献を深めていきたいと改めて思いましたし,それができるなと思うことができました.

また,学びがあれば共有していきたいと思います!
振り返りの振り返りみたいなこともやりたいと思っているので(ニッチすぎますかね…笑),ご期待ください.

それでは,明日からもちょっぴりBetterな日にしていきましょう!

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