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『ドラえもん』の「ばくはつコショウ」は衝撃の威力!

『ドラえもん』のひみつ道具のなかには、「かべかけテレビ」や「空飛ぶ荷札」のように、すでに実現しかけているものや、「どこでもドア」のように、現時点ではまだ難しいけど、いつか実現してほしいものもある。
でも、なかには「それは実現しないほうがいいかも……」という道具もあって、それはそれでヒジョ~に楽しかったりする。

そんなキケンなひみつ道具の一つが「ばくはつコショウ」だ。
1977年に描かれた同名のエピソードに出てくるアイテムで、マンガはコミックス『ドラえもん プラス』の第3巻で読むことができる。
2013年にはアニメ版が放送された。

お話は、のび太がいつものように寝坊して「遅刻する!」と騒ぐところから始まる。
ドラえもんがポケットに手を入れたため、のび太は「何か出してくれるの?」と喜ぶが、ドラえもんはティッシュを出してハナをかんだだけ。
絶望したのび太が泣いて頼むと、ドラえもんは「明日からちゃんと早起きすること」を約束させて、ポケットから「ばくはつコショウ」を取り出した。
このひみつ道具は「目的地を言いながら、近くの人に振りかけると、その人のくしゃみで目的地まで飛ばされる」というもの。
そこで、のび太が「学校」と言ってドラえもんにコショウをかけると、ドラえもんがモーレツなくしゃみ!
それに吹き飛ばされたのび太は、ヒュ~ンと空を飛んでたちまち学校に着き、遅刻せずに済んだのだった。

まことにオモシロイひみつ道具だが、それにしても藤子・F・不二雄先生はうまいな。
ドラえもんはロボットだから、理屈っぽい筆者など「ロボットがくしゃみを!?」と不審に思ってしまいそうだが、その少し前にハナをかむシーンがあったために、さほど違和感なく読んでしまった。
面白いマンガには、細かい工夫が施されておりますなあ。

作劇に感心している場合ではない。
この「ばくはつコショウ」は、科学的にもヒジョ~に興味深いのだ。
人間を学校まで飛ばしてしまうとは、いったいどんなくしゃみなのか?
そんなくしゃみをしたら、いったい何が起こるのか?
ここではアニメ版で考えてみよう。

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