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<あんこ の うんこ/中編-4>

甘党でもないくせに襲ってくる天敵たち

天然たい焼きは普通の魚と違い、身体全てが甘いという特徴があります。でも、見かけが魚のため、襲ってくるサメやタコが多いのも事実です。

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実際にサメが襲ってきた場合、サメは天然たい焼きの身体をバクリとかじり付いて来ます。でも次の瞬間にあまりの甘さに吐き出すことがほとんどなのです。天然たい焼きは、身を守るためにサメに対し攻撃をし、サメがひるんだ隙に逃げます。

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ポピュラーなパターンは、餡の粒だけを身体の中で集め、口からサメに目掛けて噴き出します。サメは驚き、時には目に直撃するため、慌て出します。その際に甘い魚だということがわかり、この攻撃を受けたサメは天然たい焼きを見つけても無視するようになります。

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タコのような軟体な身体で、目が奥まった場所にある場合はどうでしょう? 粒の攻撃が効かなさそうな相手の場合、天然たい焼きはもう1つのパターンを使います。

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身体の中で粒なしの餡を集め、口からこし餡として吐き出します。広範囲に渡り餡が拡がるため、タコは驚くだけでなく、視界を遮られて天然たい焼きを見失います。天然たい焼きは、タコが慌てている隙に逃げます。

逞しくなった天然たい焼きは産卵のために川へ

天敵と対峙したり、海の中を冒険したり、天然たい焼きは大人になっていきます。そして産卵の時期になるとたくさんの天然たい焼きは、生まれた川に泳ぎ出します。

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大人になったオスとメスが、川上へと泳ぎ進みます。産卵にちょうどいい流れのあたりで、産卵の準備をスタート。川底の石が増えてきた場所で、メスは産卵に適した場所を探します。

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石と石の角度が良ければ、川の流れに沿って卵が石に落ちるよう、石の少しだけ前方に移動して産卵を開始。オスはその様子をうかがうように、メスの後ろで産卵が終わるのを待ちます。

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メスの産卵が終われば、オスが前に泳ぎ、メスと同じ場所に静止します。今度はオスが、メスの産んだ卵の山に白濁液をかけます。

これで天然たい焼きの産卵は終わりです。

…後編に続く

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