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アメリカで発生したクラウドファンディングをもっと深く学んでおこう

小さな革命に着手した「草の葉ライブラリー」は、手作り制作の二冊の本を「キャンプファイヤー」と「レディフォー」という二つのクラウドファンディングに投ずるが、そもそもクラウドファンディングとはなんなのかをもっと深く学んでおこう。

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       世界最大のクラウドファンディング

 アメリカ最大のクラウドファンディングに成長した《キックスターター──Kickstarter》が、今日までなしたプロジェクト数は13万6000件、支援者数は1400万人、支援総額は34億ドル(約3400億円)と統計(2017年)されているが、世界を変革していかんとする情熱に燃えるキックスターターは次のようなミッションを掲げている。

《われらの使命──私たちは人々がさまざまな夢を実現させるためのプロジェクトを援護するために《キックスターター》を立ち上げました。私たちにとっての成功とは、どれだけ利益を上げたかではなく、どれだけ多くのクリエイティブな活動に貢献できたかという点にあります。2015年、《キックスターター》はベネフィットコーポレーションになりました。利潤追求といった企業的体質から脱皮して、社会の向上に寄与する活動を展開する福利厚生事業体になったのです。ベネフィットコーポレーションとなった《キックスターター》は、果敢にその目的を追求していきます。すなわち、利潤追求という企業的目的を修正して、芸術と文化に対する具体的な行程と目標を定め、私たちの価値──人々がさまざまな夢を実現させる──を事業の中核にし、不平等と戦い、創造的なプロジェクトが実現していくことを積極的に援護していきます》

 三千億円ものプロジェクトを誕生させた《キックスターター》の本社は、意外なことにニューヨークの元鉛筆工場だったビルにあり、これもまた以外なことに社員はわずか156人だという。しかしそのチームには、開発者、デザイナー、サポートスペシャリスト、作家、ミュージシャン、画家、詩人、ゲーマー、ロボットビルダーなどありとあらゆる才能が集まり、 のべ134、000件以上のプロジェクトを展開してきた。

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       小さな装置が瞬く間に世界に広まった

 もう一つアメリカに《インディゴーゴー──Indiegogo》という大きなクラウドファンディングのサイトがある。このサイトに、2015年、Flow Hive(フローハイブ)と名づけられた蜜蜂の箱が登場するのだ。蜂蜜を採取するとき、蜂に刺されないように完全防備が必要だった。そして煙をもうもうと焚いてミツバチを巣箱から追い出して蜜を採取していく。そんな面倒な作業から採取するのではなく、蜜蜂にストレスを与えることなくもっと簡便に方法で採取できないものとか、オーストラリアに住む養蜂家、スチュアート・アンダーソンとシダー・アンダーソン(Stuart and Cedar Anderson)の親子は長年模索するのだ。

 そしてとうとうアンダーソン親子は、簡単に蜂蜜を集められる画期的な発明装置、自動蜂蜜採取箱《Flow Hive──フローハイブ》を完成させたのだ。水道の蛇口のように、ノズルをひねるだけで蛇口からコップに蜜が流れ落ちてくる。アンダーソン親子はこの装置をクラウドファンディングで公開することにした。

 一台十万円程度の値をつけて、数十台程度ならリターンされるかもしれないと、その目標金額を七百万円にした。彼らが投じたサイトが《インディゴーゴー──Indiegogo》だった。すると開始されてから二日間で、なんと目標額の333倍、235万ドル(2億8000万円)というとんでない額がリターンされたのだった。これは全世界にネットワークを広げているインディゴーゴーの力だった。オーストラリアの片田舎から発した一つの小さな装置が全世界を駆け巡ったのだ。

 世界中の養蜂者からの熱い注目を浴び、最終的に150か国37000人から、1200万ドル(15億円)以上もの大金がこの小さな装置に投ぜられることになった。

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