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ジャンプのボクシング漫画第十六話🥊

タイトル通り「最後の戦い」になってしまったようだ。

これで起死回生を図るには、9月に出る単行本が売れることである。

父親と義理の妹のエピソードが出たが余りにもあっさりしていた。

長期連載が叶うならこれは4話分使っていたことだろう。

しかし掲載順位を見ても後ろから2番目である。

全てのフラグを回収して終わりに向かう。

9月いっぱいで作品自体は終わりになるのだろう。

最終回を迎えるのは分かるが、そこからどうやって現代のボクシングのへと繋げていくのだろうか。

時代設定は昭和21年の戦後であるが、ここから6年後の昭和27年にJBC(日本ボクシングコミッション)が成立する。

繰り返すが主役の青空は15歳となっているので昭和一桁生まれ、昭和5〜6年生まれ(1930〜1年)だと推測されるが6年後だと21〜2歳になっているだろうからそれまでにれっきとした“プロ”になっているのだろうか。

昭和一桁生まれも大分鬼籍となったが、令和5年も生きていれば93歳である。

現代に繋がってそこまで生きている設定を作るのだろうか。

でも殆どの読者はそこまで興味なさそう。

さて、父親と義理の妹のエピソードが挿入されたが、この感じだと子供時代は大正時代だと思われる。

大正時代って洋服も一般的になるのだけどこちらは田舎っぽい

父親は支那大陸の方面には出ているものの、青空の年齢を考えれば既に老兵であろう。

青空と拳を交えた虹村凶作はこの時点で29歳(大正5〜6年生まれ)なので父親はそれ以上だと推測される。

父親も義理の妹も明治末期か大正初期生まれ(1900〜10年代)と考えられる。

さて、気付くであろう。

鬼滅の刃とクロスオーバーしているのである。

実際はニアミスなのだが父親達が実は竈門炭治郎と禰豆子と同年代なのである。

炭治郎や禰豆子の弟達のように少し下(最大で5歳)とも考えられるが、彼等の時代では浅草十二階(凌雲閣:1890〜1923年)があったのでまだ関東大震災が起きていなかったのである。

今年(2023年)は関東大震災百周年(大正12年)なので、それ以前の話が鬼滅の刃(1915年辺り、虹村が生まれた年代)なのだから鬼舞辻無惨を倒した後に夕日と夕華のエピソードが始まるのである(多分二人とも15歳前後)。

こう見ると明らかにアフター鬼滅を狙った時代劇ものだと考えられる。

ジャンプ流にクロスオーバーとして考えれば、

  • 弥生時代後期:邪馬台幻想記(卑弥呼亡き後の邪馬台国を舞台とした矢吹健太朗のデビュー作だが2巻で打ち切られたがその後の作品がヒットする)

  • 南北朝時代:逃げ上手の若君(足利尊氏が出て来る)

  • 戦国時代:竜童のシグ(14話で終わってしまった)

  • 織豊時代:花の慶次(秀吉が天下統一した時代)

  • 江戸時代初期:士魂鉄忠左衛門の最期(2話読み切りで単行本未収録)

  • 江戸時代:あっけら貫刃帖(すぐ終わってしまったけど)

  • 江戸後期〜幕末?:サムライうさぎ(商人に士族が舐められ始める)

  • 幕末?:磯部磯兵衛物語(伊藤博文の幼少時代とすれ違う)

  • 幕末〜御一新前:銀魂(幕末期に宇宙人がやって来てしまった)

  • 明治11年:るろうに剣心(西南戦争後紀尾井坂の変辺り)

  • 明治10〜20年頃:てんぎゃん(南方熊楠の青年期)

  • 明治40年前後:ゴールデンカムイ(日露戦争後で土方歳三が70歳超えて生きていた)

  • 大正3〜5年:鬼滅の刃(凌雲閣が健在)

  • 大正10〜12年:大正処女御伽話(作中に関東大震災に見舞われる。その後に昭和オトメ御伽話へと続く。昭和3〜20年)

  • 昭和10〜20年:※蒼天の拳とリジェネシス(厳密に言うとジャンプ作品ではないが北斗の拳の前日譚となる話)

  • 昭和20〜21年:ドリトライ(敗戦後の話)

  • 昭和20〜28年:はだしのゲン(戦後の話の方が長かった)

  • 昭和30年代:こち亀(両津勘吉の小学生時代)

  • 世紀末〜2010年代:北斗の拳(連載は5年だが作中では10年経っている)

前にも書いたがジャンプ作品は人口に膾炙された注目される時代ものを描くことはない。

殆どニッチな隙間産業的な舞台を描かせることが多い。

花の慶次とて織田信長アフターである。

その織田信長でさえも青少年期の漫画を描かせていた。

ジャンプは過去の時代ものに関してはスポーツ漫画や将棋漫画と比べれば幾らか息が続くようである。

しかし、純粋なスポーツ漫画としてのボクシングはここには書かないが精々延びても2巻くらいまでしか行かない。

調べた所、ジャンプは意外とボクシング漫画を手掛けているようである。

講談社かと思ったらそうでもなかった。

白泉社も一ツ橋グループとして考えれば含まれるのか?

それは除外してもいいや。

ろくでなしブルースをボクシング漫画にしていいのかどうかは分からないが、55年のジャンプの歴史でボクシング漫画がヒットしたと考えれば『リングにかけろ!』くらいしかない。

ジャンプではなくヤンジャンならば息は長く続くようである。

最早ジャンプとヤンジャンの境目がなくなってしまったが、ハイパーバトルなら少年誌、泥臭い感じなら青年誌といった棲み分けがなされているようにも見えるが、そんな棲み分けもジャンプやヤンジャンには意味はなさそうにも見える。

人気を獲得出来ずにすぐ打ち切りになると分かっているのに飽くなき連載を続けようとする将棋漫画にしろ、ボクシング漫画も長く保っても2巻までしかならないのに頑張って連載を続けようとする編集部の熱意は代替わりしても伝わりそう。

この漫画が終わってもまた将棋漫画のように狙い続けるのだろうと感じた。

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