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[SF] 連作短編 キャプテン・ドレイク・シリーズ

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数々の伝説に彩られた戦闘艦「宇宙の驚異号」で銀河を駆け巡るキャプテン・ドレイク。星の光すら届かぬ虚空に住まい、宇宙くまなくその名の轟く海賊であるが本人は無法者であることを頑なに否…
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見上げれば青い雲 [キャプテン・ドレイク2]

見上げれば青い雲 [キャプテン・ドレイク2]

今回の物語は最初のエピソードよりも以前に遡る話である。この物語ではドレイクが今の道に踏み込んだいきさつが語られる。
(公開時期は5番目なので私のページでの並びはおかしくなっているがこれが二番目のエピソードでまちがいないので)

                           (全34,000字)

人は旅に魅了される。時を経て旅の形態も多岐に考案された。そのひとつに豪華客船の旅がある。魅力あ

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 つかのまの(Brief) 邂逅(Encounter)  [キャプテン・ドレイク 1]

つかのまの(Brief) 邂逅(Encounter)  [キャプテン・ドレイク 1]

◆ あらすじ (キャプテン・ドレイク・シリーズ全編) ◆
数々の伝説に彩られた戦闘艦「宇宙の驚異号」で銀河を駆け巡るキャプテン・ドレイク。星の光すら届かぬ虚空に住まい、宇宙くまなくその名の轟く海賊であるが本人は無法者であることを頑なに否定している。
そんな彼は宇宙一の美貌と噂のエリザベスも同道し幾多の驚異に出会い伝説を作っていく。宇宙最大の謎をひっそりと解いてしまったコンピュータ。他に類を見ない超

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恒常的指令 [キャプテン・ドレイク 3]

恒常的指令 [キャプテン・ドレイク 3]

キャプテン・ドレイクは宇宙に一台きりしか造られなかったロボットを              探索する途につき数々の試練に遭うこととなる。                (15000字)

恒星間の気の遠くなるほど恐ろしい真空を縄張りとして暴れ回る海賊キャプテン・ジョン・ドレイク。そしてその海賊船『宇宙の驚異号』操艦の全機能を担う艦載コンピュータの私。その私にかつてドレイク艦長からひとつの恒久的指令

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財宝の星伝説 [キャプテン・ドレイク 4]

財宝の星伝説 [キャプテン・ドレイク 4]

キャプテン・ドレイクが困難な探索の末探し出した超頭脳ロボット、サイジーは海賊船『宇宙の驚異号』に来て果たしてどんなふうに過ごしているのか。

                   (12章 全26,000字)

始まりは穏やかなひととき
足下の地面は一面視線の届く限りどこまでも純白に装っている。海の色は極寒の地でしか見ない濃い藍色。陸のはるか彼方に目を向けると凍りついたような白銀に輝く山々がそびえ

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覚えなき流刑 (前編) [キャプテン・ドレイク 5]

覚えなき流刑 (前編) [キャプテン・ドレイク 5]

あり得ない侵入をなしとげた犯人は数奇な運命に捉えられた男だった。そして男とキャプテン・ドレイクとの関係は?

前編 (19000字)

                       

全面ステンレス。壁も天井も、床ですらステンレス製の塵ひとつない廊下。そしてとどめの重厚なステンレス扉の前にしゃがみ込み、手にした目が飛び出るほど金のかかった電子機器をドアの鍵の近くに当て、ディスプレイをじっと見つめ

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覚えなき流刑 (後編) [キャプテン・ドレイク 5]

覚えなき流刑 (後編) [キャプテン・ドレイク 5]

その男が苦心惨憺の上、宇宙の驚異号に乗り込んでキャプテン・ドレイクに会おうとした目的が明かされる時が来た。

後編 (17000字)

                       

マットは淡々と話を続けた。
「まず、俺の本当の素性から話す。生まれ故郷はドランティという星だ。半分以上が海で遠洋漁業が盛んだ。気候は温暖で、大陸には草木が豊かに生い茂る美しい星だ。俺が親から付けられた名前はウィリア

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