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四季折々の俳句 18




「 夜行バス 」

じんせいにかさねて仰ぐ紅葉かな

画家たちのたましひ見つむ美術展

うしろ手に髪をたばねしひとの秋

人を恋ふほどにひとりの夜寒かな

逢ひたさの果てに朝顔ひらきけり

手にすくふうしほかがやく秋の海

金閣の燃えんばかりにもみぢかな

ああ誰かむかへに来ぬか秋しぐれ

はしりだす秋の灯ひとつ夜行バス

行く風のうしろすがたよ秋惜しむ

ふるさとをとほくはなれて冬支度

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