見出し画像

現代語俳句への旅 12


「 秋そのもの 」
~現代語俳句集~

鷺草があそぶちいさなおおぞらよ

柿噛んで平和しみじみあまいこと

生きるとははるかなことよ温め酒

もの思う秋をはるばるとんびとぶ

ふるさとのおおぞら露の玉のなか

ししおどし料亭ながらしずかさよ

ふねを揉むのの字のの字の野分波

行くひともくの字くの字よ大台風

にわにすむこおろぎも子々孫々と

月あおぐそのとうとさを知る人と

庭しごとしているいまが秋のゆめ

新幹線と言うひびきもさわやかに

白ごはん光りそのもの秋そのもの

生きるとはしずかなことよ星月夜


富士4句
~春夏秋冬~

歳とってこころはるばる春の富士

ひとの列そらへそらへと夏の富士

はるかまで田は黄金いろ秋の富士

こころから夕映えのなか冬の富士




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?