現代語俳句への旅 12
「 秋そのもの 」
~現代語俳句集~
鷺草があそぶちいさなおおぞらよ
柿噛んで平和しみじみあまいこと
生きるとははるかなことよ温め酒
もの思う秋をはるばるとんびとぶ
ふるさとのおおぞら露の玉のなか
ししおどし料亭ながらしずかさよ
ふねを揉むのの字のの字の野分波
行くひともくの字くの字よ大台風
にわにすむこおろぎも子々孫々と
◇
月あおぐそのとうとさを知る人と
庭しごとしているいまが秋のゆめ
新幹線と言うひびきもさわやかに
白ごはん光りそのもの秋そのもの
生きるとはしずかなことよ星月夜
富士4句
~春夏秋冬~
歳とってこころはるばる春の富士
ひとの列そらへそらへと夏の富士
はるかまで田は黄金いろ秋の富士
こころから夕映えのなか冬の富士
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