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現代語俳句集 6




「 白ゆかた 」

遠くからながめる富士の涼しさよ

梅雨晴れの空へあるいてゆくか坂

いち族の写真いちまいほたるの夜

梅雨の夜の一つひとつが祈りの灯

背なかからかんじる覚悟父の日よ

まっ白な蝉つぎつぎと生まれ出て

ふるさとの空おもうたび蝉しぐれ

京風鈴はるかなおとのすることよ

江戸ふうりん隣の家は京ふうりん

その人のまわりあかるむ白ゆかた

仰ぎみる目をつらぬいて炎暑の陽

さっと書く風という字の涼しさよ

乾杯のグラス鳴らして暑気ばらい

まどに立つひとりひとりが月見草

kusabue

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