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はじめての投稿は「三体」のこと

・まずは読んでみての感想を
中国の小説は初めてで、またSF小説も普段あんまり手に取らないジャンルでもあるので読み始めは少ししんどかったのが正直なところ。
物語の始まりは1960年代の文化大革命が行われている中国が舞台。
思ってたのと違うなと思い読み進めていましたが、あっという間に読み終えました。
科学の事など一部学術的で難しい内容も出てきますが、文章も読みやすくストーリーもテンポも良く進むので理解もしやすく楽しく読めました。

・設定(ルール)について思うこと
SF作品は映画ではよく観ます。
SF作品を観る時にいつも初めにつまずくところは設定です。
勿論そこが醍醐味なのですが…
良くある例でいうと例えばタイムマシンで時間移動する場合、ドラえもんとバックトゥザフューチャー、時をかける少女ではそれぞれ設定(ルール)が違ったりしています。
最近ではエンドゲームの1シーン(私的に一番面白かった場面)でローディ(ウォーマシン)がタイムマシンに乗る前に時間移動の説明を受けている際、今まで観てきた映画での知識と違うとか言ってたシーンがありましたが、タイムマシンはまだ現実に無いものでありそれを仮説を元に作中で作っているので違って解釈が違って当たり前なのです。
「三体」の設定はどうかというと地球に三体人がやってくるのが450年後とかなり先です。
おそらく1巻に登場していた人は誰も生存していないでしょう
作中ではこれからどうなるかわかりませんが…
現時点では三体人の方が地球人よりも科学も先を行っているので簡単に征服されてしまいますが、三体人はこれから先の450年間で地球人が進歩していき追い越されてしまうではないかと心配です。
なので地球の進歩を止める為にある行動をとるのですが、その流れが面白かったです。
おおまかにいうと智子(ソフォン)を使って地球の同志とコンタクトを取り、地球人の進歩の邪魔をするっていう感じです。
1巻を読み終えた時点で地球人は打つ手が無いなと感じて私(地球人)も絶望感に苛まれましたが、2巻(上)の冒頭でいきなり三体人の特性と言うか隠し事が出来ないという弱点が明らかになりましたのでそこをどうやって突くか地球人のこれからのどんな作戦が実行されるのか、三体人も三国志演義を読みながら地球人の行動を勉強中ですのでこの攻防は楽しみです。

・登場人物について
物語の善玉の中心はワン・ミャオとシー・チアンの二人です。
ワン・ミャオは「科学フロンティア」に潜入し調査をしたり、胡散臭いオンラインゲーム「三体」に入り込んで情報を集めたりする場面は面白かったです。
シー・チアンは第一印象悪めでしたが、ピンチに必ず駆けつけてくれる良い相棒です。
映画化も予定されているらしいので1巻部分はこの二人を中心にしたバディムービーとしてもかなり期待できます。
その他ディン・イーやウェイ・チョンなど魅力的なキャラクターはとても多かったです。
イェ・ウェンジェ、マイク・エヴァンズなど化学フロンティア(地球三体協会)も個性豊かな人物が多いです。
物語上は地球三体協会は悪玉になってしまいますが、イェ・ウェンジェの壮絶な過去の話とかを読んでいると思想が理解できないことだけでもありません。
本書のありがたいところは登場人物がそこまで多くなく、登場人物表が付録でついているので読んでいてもすぐ確認できる所です。
それでも中国名の人物が多いので初めは覚えるのに苦労しましたが…

・まとめ
まだ2巻上の半分くらいのところまでしか読めていませんが、ページをめくるたびに面白さが増しています。
1巻が面白すぎたので、2巻以降尻すぼみになっていかないか心配でしたが全然そんなことは無いです。
まだ読み終えてはいないですが、これを機会にSF小説の世界に足を踏み入れていこうかと思っています。

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