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ショート・ショート

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今まで投稿したショート・ショートを纏めました。2,000文字以下の短い話ですが、「落ち(下げ)」に拘って書いてます。
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2024年3月の記事一覧

【ショート・ショート】哲学

【ショート・ショート】哲学

「ねえ、あの時出会わなかったら、私達どうなっていたのかしら?」

「どうもなっていないよ。別の日に出会っているさ」

「別の日に出会っても、私達付き合うかどうか分からないじゃない」

「いや、付き合ってたさ」

「どうして分かるの?」

「でなけりゃ、君にこんな質問されていないさ」

若い恋人達の囁きにも哲学がある。

【ショート・ショート】爪

【ショート・ショート】爪

 爪を噛むのが、あなたの癖だった。
 考え事をしている時の、あなたの悪い癖。
 何度注意しても直らなかった。

 握りしめた時の、手のひらに当たる爪の硬い感触が厭なのだそうだ。
「気になって、集中できないんだ」
「変なの」
 私が笑うそばから、まだ不満らしく歯を立てている。
「止めてよ、みっともないから。貸して」
 あなたの手を掴んで、爪切りで整える。
 パチン、パチン。
 尖った切り口をヤスリで

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【ショート・ショート】別腹

【ショート・ショート】別腹

「お前、よく入るなあ」
 妻が、夕食の後にケーキをパク付いている。
「ケーキは、別腹よ」
 知子は、腹をポンと叩く。
「ベツバラってなあに?」
 側耳を立てていた「なあに君」が、すかさず聞く。
 息子の竜也は三歳。何でも知りたがる年頃だ。「なあに?」{なあに?」と、いつも好奇心のアンテナを立てている。

「それはね、ご飯を食べるお腹と、ケーキを食べるお腹は別だってことなの」
 なあに君は、首を傾げ

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【ショート・ショート】約束 その2

【ショート・ショート】約束 その2

「お兄ちゃん、居る?」
 由紀子が窓の下から呼ぶ。
「朝っぱらから大きな声を出すなよ」
 孝は二日酔いの頭を抱えながら、窓から顔を出した。
「いつまで寝てるの。もう、お昼だよ」
「いいから、上がって来いよ」

 おばさん、こんにちはと言う声が聞こえたかと思うと、トントントンと階段を上る音がして、由紀子が入ってきた。
「酒臭ぁーい。また遅くまで飲んでいたんでしょう」
「うるさいなぁ。まったくお袋みた

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