抜け落ちていく中、残る記憶

ついさっき父に聞かれた。

「昨日の晩飯なんやったっけ?」

まだ還暦にもなってない父だが、まあこういうこともあるだろう。
2人でそこから晩御飯のおかずをさかのぼっていったが、3日前ですら思い出せなかった。
食べたその時は美味しさで満たされ、記憶として残っているが、いつの間にか抜け落ちていく晩御飯のおかず。
思い出せなくても支障はないが、思い出せないことが少し悔しい。

自分が覚えている一番古い記憶は2歳か3歳の家ではしゃいでいる記憶だ。幼稚園に入学してからの記憶は案外残っていたりする。

記憶を辿ることは、人生を振り返ることと同じだ。
しょうもないことをなぜか覚えているくせに、大きな決断となったはずのあの時の記憶は抜け落ちたままだったり。

小学4年の頃のプロ野球選手の背番号は今でも結構覚えているのに、中学の時の名簿番号なんてあやふやにしか覚えていない。

今日の会話のことを僕はいつまで覚えているだろうか。
そして今日の晩御飯のおかずを僕はいつまで覚えているだろうか。

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