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まくらのそうし

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日々の風景、周りの自然などを綴ったエッセイです。毎日更新。1話は原稿用紙1枚ほどです。田舎暮らしの風景をお届けします。
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#スキしてみて

シャワーホースの美しいカビ

 苔が美しいというのは、日本文化に基づいた感覚であり、所変われば、苔は手入れの行き届いて…

ホタルブクロとホタル

 ホタルブクロの白い花が咲く頃、黒に胸の赤い虫がつーと、低く飛んでいる。  これが飛ぶと…

【エッセイ】 ツバメとトンボ

 益虫、益鳥なんてものは、人の勝手と分かっていても、その勝手な人類としては、それ同士で争…

3億年の本の虫

 ダンゴムシを平べったくしたような体に、長い触覚や尾を付けて、壁や畳の隅に佇む虫なら、そ…

「経済的」な梅酒の作りかた

 久しぶりに梅酒を作り、これは酒のためならず、梅を食べたいということで作るのだから、人の…

【エッセイ】 カニのご馳走

 珍しく、カニが左鋏に何か持ち、道を歩く姿を見かける。  ボルトの軸か、それとも細いジャ…

【エッセイ】 空梅雨

 梅雨入りがひと月も遅れ、初めてグミを食べ尽くしたのだった。  あの赤い、卵形の木の実である。  果皮が柔く、雨でも降ればすぐに破れ、腐り、黴びてしまうので、たわわに成る実を仰ぎながら、雨はいつか、いつ降るかと、惜しむように食べるのが常、それがまさかの晴天続き、気づけば実はなくなって、あとは届かぬ木上に付くばかり。  田んぼをする人は頭が痛く、声も掛けられぬほど不機嫌で、息子の機嫌を老母が伺い、大変だよと愚痴を言う。  それがこれからの雨で収まるか。  水瓶は底を現

【エッセイ】 栃の木と、かまいたち

 トチノキの枝が二本、折れている。  これが特別風の強かったわけでなく、台風や嵐が来たわ…

【エッセイ】 バカの種

 草むらを歩くと、いつのまにかくっついている、草の種子を「バカ」と呼ぶ。  オナモミやハ…

毛虫のヘッドバンキング

 長い棘のような毛の生えた、いかにも毛虫という大きなイモムシが見えたので、どんなものかと…