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高専のすゝめ。

俺は中学を卒業後、鈴鹿高専というところに進学した。
正式名称は『独立行政法人国立高等専門学校機構鈴鹿工業高等専門学校』というめちゃくちゃ長い名前である。

高専というところは少し特殊で、高校とは違う点が何個もある。

まず通う年数だが、3年間ではなく5年間である。
高専を卒業してすぐに就職した場合の学歴は、短大卒と同じような扱いになる。

高専は高等専門学校と名乗っているだけあって、専門的な分野の勉強をする。

鈴鹿高専の場合は、機械工学科、電気電子工学科、電子情報工学科、材料工学科、生物応用学科の5つの学科がある。

大学と同じように入試の段階で志望の学科を選ぶため5年間学科が変わる事はなく、クラス替えも5年間存在しない。

工業高校に行っていた人はわかると思うが、工業系の学校には女子が少ない。
電気電子工学科には50人弱のクラスメイトの中で3人しか女子がいなかった。

生物応用学科だけはクラスの半分くらい女子がいたので、これから入りたい男がいる場合はそこをお勧めする。

クラス替えは5年間無いが、留年はめちゃくちゃある。

高専は大学と同じように単位の取得が難しく、欠点(赤点)とされるボーダーは60点である。
年間を通して平均60点がなければ単位の取得ができず、必修科目で単位を落とせば即留年である。

一応60点を下回った場合、2科目までは春休みに追認試験というものをやってもらえる。
そこで合格すれば首の皮一枚繋がるのだ。

とはいえそこで2科目追認試験にかかってしまった人はどちらかで落としてしまうことも多々ある。
そもそも3科目以上ボーダーを下回って留年というパターンも多い。

高専はそもそもの偏差値が高いので(鈴鹿高専は66)入学後もしっかり勉強しなければ留年してしまいやすい点は大変なのだ。

だが、大学と近い環境なので楽しいことも多かった。

普通の高校でよく聞く生徒指導の先生という人はいないので、めちゃくちゃルールが緩い。

髪を染めたりパーマをかけてもいいし、俺は虎に座って1年間授業を受けていたが怒られた事はなかった。

誕プレでもらった。

こんなにもルールが緩い理由。
高専の先生は教員免許を持った教師ではなく、自分の研究室をもっている教授なのだ。

彼らは自分の研究の片手間に授業をしているので、勉強の面倒はみても精神的な指導まではしてこないのである。

これで偏差値の低い学校だったら暴れ放題になりそうだが、基本的にガリ勉しかいない学校だったので不良もいなかった。
もし不良がいてもすぐ留年して退学する。

そんな学校だから楽しかった。

5年生になるとどこかの教授の研究室で卒業研究をしないといけないらしい。

らしい、というのは俺が4年で中退して上京したからあまり知らないのである。

5人くらいのグループに分かれて研究室に入るらしく、その1年はかなり楽しそうだ。
少し羨ましい。

俺は4年で辞めたが、高専の友達とは今もかなり仲良くしている。

地元三重県の高専なのだが、クラスの半分くらいは関東の大学や企業に入っているからだ。
だから今も飲みに行ったり、ライブを見にきて貰ったりして交流がある。

5年間クラス替えが無いというのも、クラスの仲の良さに関係している。
最初はソリが合わなさそうなグループも、そんなに長くいればみんな仲良くなるものだ。
みんなが仲の良いクラスだったし、今も繋がっている人が多い。

俺は最後まで居なかったが、高専入ってよかったなとは心から思っている。

高専は楽しい。

高専のすゝめ。

おしまい。

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