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商店街の服屋はやっていけるのか?
やぁ、いらっしゃい。いつも来てくれてありがとね。
仕事をしていると別のお仕事が割り込んでくることがある。
電話なんかは典型例。これ苦手なんだよね。
納期が設定されているのに、途中でまだかと気分でかけてくる。
機嫌がいいならいいんだけど、何故か怒ってくる人。神経疑うよもう。
アパレル産業。
アパレル業界って幅広い。
これ本当に幅広いんだけど、紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品を合計した小売合計を市場規模と考える。
何と7兆6,105億円。
衣食住という大きな産業の内、衣のフィールドになるね。
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私もコロナ前は服なんて度々買っていて、着てもないのにクローゼットに並んでしまうなんてこともあったね。
外出しなくなってからは店舗買いの機会が大きく減っちゃって通販も多くなっちゃったけど、実店舗にも通販にも良さがある。
ウィンドウショッピングから始まる一目惚れ購入。
今回は商店街の一角にあるお店のお話だよ。
場末感漂う洋服店。
K氏はとある商店街で洋服店オーナーを務める女性社長。
相続で引き継いだ家が商店街に組み込まれた一戸で、一階部分入り口がそのまま店舗。奥に自宅になっている仕様の建物だ。
もともと地元で育ってそのまま実家を引き継いでオーナーをしているので、商店街の有力者や利権関係にも妙に詳しい一面も持つ。
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とは言え、日本のほとんどの商店街が現状衰退の一途を歩んでいる中、K氏の商店街もまた徐々に客足が少なくなっている。
シャッター街とまでいかないだけ、全然上等な方ではあるがそれでも少し足を伸ばせば繁華街があるだけに、利用者は近くの住民が大半なのかなといったところ。
K氏は暗中模索をしながら、日々販売戦略を考える。
パワー型オーナー。
K氏と知り合ったのは5年ほど前。
とある交流会でたまたま隣になった事がきっかけだ。
『ど派手なおばさんだなーー』
と、影で思ってたら同じテーブルに付いた参加者にビラを手渡しして店舗のアピールをやっていた。
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まぁ、業者が集まる会だしね。
いろんなビジネススタイルがあるもんだと、横目に見ていた。
何だかんだ同じ空間で2時間ほどいると、話すこともある。
明らかにアナログなタイプ。
多少はお役に立てる気はしたが、恐らくこの手の方は興味を持たないだろうなと思い、その場は名刺交換だけで留めておく。
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翌日、すぐに連絡が来る。
番号まで登録していなかったので、誰だろうと思って対応したらK氏。IT面で興味があるから話がしたいと店舗に呼び出される。
用事も入っていたりする為、事細かにスケジュールを聞かれ空いているところにねじ込まれ、来店のアポを入れる。
うわ、凄い圧だなこわーいと、はっきりとその感覚は覚えてる。
理解はしないが直感で動く。
K氏と話すと面白かった。
店は小綺麗で、ショーケースには最新仕入れのアイテムも並ぶ。
イタリアン・カジュアルをベースにしており、懇意のバイヤーとの繋がりで定期的にイタリアを中心に買い付け品を仕入れとしている。
レディース9割、メンズ1割といったところか。
アナログなおばさんとはいえ、豪腕単騎のオンライン未利用の危機感はあるようで、色々と尋問されたよ。
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通販も興味があると言っていたが、正直ファッションECは十数年前からレッドオーシャン。規模感的にも予算・納期的に厳しい。
『ブティック』と呼ばれるジャンルの営業スタイルで、特に数十年来の顧客には店舗でドリンクなども用意し、会話もしっかり行い、品物を進めていく。
一客に対して5時間クラスの接客を行うこともあるそうで、とにかくクライアントに時間とお金があることが前提になる、カウンセリングビジネス。
数こそ少ないが、太客は2~30万円相当を落としていくことも度々ある。
性格も嗜好もヒアリングで押さえており、好みそう。かつ利益率の高いアイテムを選別する目はハンターそのものだ。
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オンライン戦略としては、店舗というよりはK氏本人を押していくことでローカル圏域で認知向上を図ることを提案する。
K氏はあまり分かって居なかったが、予算をしっかり伝えるとそれが払えるか否かをお伝えする。
まぁ、無理筋かなと思っていたが、即決でやると言われる。早い。
逆にカウンター営業でトップス2点をねじ込まれたよ・・・。
5万円、1つは気に入ってるけど1つは出番がすぐになくなったね。
イベントを行う。
K氏はよく店舗でイベントを行なっていた。
イベントと言っても、ささやかなもので交流会で知り合った人をゲストにその知り合いや顧客を呼び込むような感じだった。
交流会と言えば客探しに来てるのかなと思ったが、それよりもイベントを重視している傾向があった。
最初に配っていたビラもイベント告知だったね。
継続的にやっていると、ゲストの知り合いに妙に馬が合うタイプが来ることもある。
ぼーっと店を空けたとしても、下手したら坊主で終わることだって珍しくもない。
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一撃が重たい業界なので、冷やかし客に時間はかけられない。
K氏は豪快だが、そこはシビアな一面があった。
それをSNSに出したり、オフィシャルサイトに上げるだけでも継続していけば引っかかることもある。
私の仕事は最初の触りだけに留めておく。
商品は当然としてイベントの雰囲気や告知などは紙だけでなくSNSなどオンラインにも出すことに意識を持たせておきたい。
数年経った最近でも、更新頻度こそ低いが時々告知を出している。
あのイベント、まだやってんだと時々思う。
これから。
K氏は自宅がそのまま店だからまだマシ。
居住部分スペースの方が広く、完全商用利用だとすると固定資産税だって大変だ。周りの賃貸なんかはみんなそう。
高い維持費を賄う為に、高い賃料で貸し出す。
棚子の店長も厳しい商店街情勢で必死に営業している。
飲食店などは平日の営業マンが通うことも多い。
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洋服店はどうなんだろう。大型スーパーの2階などにあるアパレル店なんかは敷地も広いのに平日はガラガラ。採算合うのかなとか邪推もする。
ブランドものでなければ、無店舗通販なども勢いがある時代。
昔ながらのお店、昔ながらの顧客もいつまで来れるのかは分からない。
これから10年経つ頃、世の中どうなっているのやら。
と思ったりもするが、今はただ状況を見るばかりだね。
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ここまで見てくれてありがとう。
楽しんでもらえたら最高です。
いつも来てくれることの感謝を禁じえない今日この頃。
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それでは、また。
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