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日常をコンテンツ化するヒントが詰まった1冊|『つらいことから書いてみようか』を読んで

コラムニストであり、ジャーナリストでもある近藤勝重さんの著書『つらいことから書いてみようか』と読みました。

小学校5年生に向けておこなった「作文への取り組み方」の様子を書籍化したものです。

子ども向けと侮るなかれ。日常をコンテンツ化するためのヒントが詰まった1冊でした。

いつも書くネタに困ってしまう
どうすれば自分らしい文章が書けるかな
わかりやすく書くにはどうすればいいのか

といった悩みを解決してくれる本です。

豊かな土壌が立派な竹林を育てる

近藤さんは、作文を書く子どもたちに文章や文を「竹」に例えて、こう説明しています。

一本一本の竹は「文」、竹が何本も集まると「文章」になる。それらの竹は「体験」という土壌があってこそ立派に育つと。

つまりは、子どもたちに「インプットの大切さ」を教えているんだなと思いました。

自分には言いたいことがある。どうしても聞いてほしい。それは書きたい気持ちの表れでもあるんですね。つらいことだけじゃない。悲しいことも、うれしいことも、楽しいことも土の中にどんどんたまってくる。それが初い初いしい若竹を育てる土壌になるんですね。

竹を育むための土壌を豊かにする=さまざまな体験をすることで「書きたい」という意欲が湧いてくることを伝えてくれているんでしょうね。

あなたの目に世界はどう映っていますか?

この本を読み終えたとき、著者の近藤さんに「あなたの目に世界はどう映っていますか?」と聞かれたような気がしました。

たとえば、友だちと同じ映画を見たとしても感想は人それぞれですよね。

もっと細かくいうと記憶に残ったシーン、心に刺さったセリフ、印象的だった登場人物は違います。

それと同じで、通勤の電車の中。窓から見える景色に何を思うのか。

電車に乗っている人はみんな同じ体験をしているけれど、一人ひとり受け止め方は違います。

今日はまだ空が薄暗い。いつもより30分早く乗った電車はガラガラだ。窮屈な思いをするよりもこっちがいい。これからはちょっと早起きをしてみよう。

こんなふうに自分の体験を通して表現するが「書くこと」の醍醐味なんじゃないかなと思います。



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