黒髪

詩作、サックス演奏(吹奏楽)等をしています。

黒髪

詩作、サックス演奏(吹奏楽)等をしています。

最近の記事

帰還

王の帰還を待ちわびた民は、華やかな祭りを執り行った。待てば必ず帰って来る。永続する命の巡りの中で、夢幻のごとくなる人生を生きた勇敢な村人たち、漁夫、木こり。みんなが永遠に祝福される。もはやその資格を外れている者は一人もいない。盛大なお祝いを、みんなの未来のために、すべきである。時は満ちた。

    • 直観

      不自然に始まった恋でした 恋より先に愛してしまった あなたの言葉を 一般に向けられた言葉であっても その一文字一文字が愛しくて 眼が悪かったため美しさを形容することはできませんでした その奥に行かなければ分からない美しさ 内奥の美しさ 人格が成り立つ心臓の音 聞こえるその声を通して 私の危険に触れ回る 私の内なる危機を知らせてくれる 私は心眼を使って あなたの奥深くにあるものが見えてしまう 真っ赤なルビーのような 愛の化身よ

      • くよくよしたら

        長い時間かけてやって来た 暗い路の終わりには何も見えなかった 行き止まり 誰もいない いつまでこのままなんだろう 頭がおかしくなりそう 何もない、ここには 誰も助けてはくれないだろう 後戻りもできない でもこの星は球状で 行き止まりはないんだ 気のせいだった 路は現実にはまた開けた 全て気のせいだった いつか、また暗い路の終わりに行き着いた時には 自分の力でなんとかしなければ 他人様が私をここに導いたのではない 私は愛される資格はあるか 心を耕せば光溢れる 作物が育つ 生きて

        • 疑いのないこの世

          戦だ、剣をとれ やるべき事は分かっているだろう エネルギーの使用法 声なき声を封殺する このままでは大丈夫ではない 恐ろしいとは考えてならぬこと 何万遍もくり返される過ちたち 私もその一端を担った 疑いを持つべきだろうか 命令は嫌だ 自分なりによいことだけをしたいんだ 連なり合っている世の汚い掃除 自分で考えて作り出せよ

          流れよ我が涙

          涙をこらえようとした 人に対し恥ずかしかったり悔しかったのじゃないだろう 心が素直じゃなかったからだろうか すぐ理由がわかれば世話はない 神と戦い自分の中で戦争がずっと続いた 戦は終わった 現実の中でいくらでも泣ける 心中が涙でぬれている 心がときめくのは偽ではない ただ一人の愛しい人

          流れよ我が涙

          頂上

          私の嬉しさは、私とあなたと第三者の中に生まれる。 愛を交換したいのは、私とあなたと第三者がいるから。 みんなが見てる。時を。 二人は、みんなの登りたかった山の上の高みにある。 私とあなたはどの時だって、そこにいた。 常に上っていた。 独りで頂点にいても仕方がない。 第三者の批判がエネルギーを注ぎ込み、私たちはもっと高く登れる。 簡単に終わらない人生、それを可能にしてくれる世よ。 そこに私とあなたがいるから、上るんだ。 頂上から見る景色は素晴らしい。 生きているなら登らなければ

          予感を当てる

          あの人の顔 美しい、瓜実のように あの人は、自分を愛せない分だけ人のことを愛してしまう そのような形で自分を愛そうとしている、死ぬほど頑張って あの人が心のままに歌うとき、時間が止まってしまう 僕は持つ、傷つけられた心を 男と女の暴力によってめちゃくちゃにされてしまった 悲しいくらいうずいている 争えば何か深くなる 光が縦横している リズムに乗せて声の光子を運ぶ、すると 鏡に映って真実が いまだ独り、と言っている── 毒りんごで眠った君の心を 目覚めさせ、温かさを取り戻してあ

          予感を当てる

          ネズミ

          赤色のネズミよ 小さな働き方をする 私の手足の延長 悲しみがボタンから伝わる いくつもの感情を覚えていたね 私の脳内の妄想に過ぎなくとも 私はそれを真実だと思う おとなしいネズミ 君が気に入っている

          強迫観念

          私の白い布に染みがついた。こすってもこすっても汚れが落ちない。 汚い。怖い。どうしたらいいの。 そしたら、お釈迦様が現れた。 「私が汚れをおとしてあげよう」 汚れが落ちた。元の白い布に戻った。私の心はもう汚れていない。 地球は汚染されていた。海も空も汚されていた。 でも地球には自浄作用があった。心にも自浄作用があった。 元のきれいな地球に戻った。元のきれいな心に戻った。 汚れが落ちないのは人間の強迫観念のせいだった。 お釈迦様ありがとうございます。 空にぽっかり月が出ている。

          強迫観念

          帰巣本能

          人間にも鳥のように帰巣本能がある。故郷に帰りたい。故郷は、遠くにありて思うもの。故郷から出て行って、遠くから懐かしく思う。でも、子供のためにまた巣を作る。そこが新しい家になる。その家はどこに作っても良い。おうちに帰ろう。

          帰巣本能

          極楽と天国~私の哲学~

          知は愛であり、愛が知である。全ての人間は生まれつき天才であり、IQの高さは頭の良さとは関係がない。愛を知れば頭が良くなる。哲学で重要なのは、「無知の知」を知ること。哲学とは生きることと同じであり、全ての人間は哲学者である。知るということは、イデアを知るということ。例えば、電話帳には電話帳のイデアがあり、それを知れば、全ての電話番号を暗記する必要はない。 日本語のイデアを持っていたのは、昔の人。今は、例えば英語がある。英語のアルファベットのaのイデアは、どんな日本人も簡単に知れ

          極楽と天国~私の哲学~

          詩25 大人になったら

          大人になったら何が変わる 人を助けられる 愛する資格が出来る あの人に会えるかも知れない 子供の頃予兆に震えてた 今空へ舞い上がる 上から見る景色は 素晴らしい 飛べない鳥も成鳥になったら空へ まだ飛んだことのない人たちのために 空へ空へ 雲に乗って 本当の巣へ帰ろうよ 涙を流しながら

          詩25 大人になったら

          詩24 愛しい人よ

          私の愛しい人が帰ってきてくれた。 心の中で。 現実には会っていないが。 いつか会えるかもしれない。 自分も彼女も死んでしまったんじゃないか、という 妄想に憑りつかれ、悪夢がずっと続いた。 悪い夢だった。太陽が昇った。 目が覚めた。愛している。

          詩24 愛しい人よ

          詩23 対象無

          全ては存在しないのです 憎い顔 愛おしい顔 その相手のことを思うのでしょうか でもほんとはそれらは影で 自分ができなかったことやらなかったことを 悔やんでいるということでしょう 形を憎んではならない 形を愛してはならない そこにあったはずの自分 いなくなってしまった愛しい顔 その人が言っているのは泣くのは自分のために 新しい世界を生きようとするあなたのために 憎い顔 愛おしい顔 形のない思いだけになるでしょう 闇と光のモノクロームの写真に閉じ込められているのは 人間や存在など

          詩23 対象無

          詩22 成育

          大人になって分かったのは この世は無常ということ 出会いや別れはともしびのように 儚く明滅する ONとOFFをくり返す 愛していたことや恋しかったこと 心が含む砂利のような味で 恐れなく立ち向かえ 私は絶対に 何ものも裏切りたくない 泣き顔の裏に育ててきたのは真実

          詩22 成育

          モノの現実感を感じた話

          大学一年生のころ(28年前)、macbookを持っていたのだが、それはとてもカッコよく、モノの形として愛着を感じるものだった。寮の部屋で一人いると、テレビの所持を禁止されていたため、ほかにいじるものがない。それで、マックのアプリを色々と使って楽しんでいた。なぜそんなことを書いてるのかというと、僕は現在、モノの存在感を感じられないため、昔持っていたマックが、愛着の湧くモノだったということに、懐かしさを感じ、またそうした状態に戻りたい、と思っているからだ。小さな画面の中に閉じ込め

          モノの現実感を感じた話