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横須賀観光に関するコラム

シン・仮面ライダーを観てきました。
と言えど、ここで感想や考察を書きはしませんが。
とりあえず、昭和ライダー要素満載で、だからと言え古臭くないまさにリニューアルな雰囲気に大満足。

で、横須賀市民の方、気がつきました?
作品内で浦賀の風景が出ていたのを?
行きつけのカフェ定員さんがロケ弁を提供したというし、エンドロールにも『横須賀』という文字を発見したのでまず間違いなく浦賀は写っています。
パンフレットに載っていた写真にも、浦賀ドッグらしき風景のそれはありました。

映画撮影といえば、昨年公開された阪本順治監督の冬薔薇も横須賀を舞台にし、浦賀ドッグも冒頭から出ていたのを思い出しますね。映画撮影の場としても売り出しているのでしょうか?
そういう意味では、画的に映える場所が多いのも横須賀の特徴とも言えそうです。今後も、その風光明媚な場所が撮影地として使われるのでしょうか。

と言っても、まだまだそれを売りにして映画の聖地巡礼キャンペーンをするには弱いですが。仮面ライダーに映ったとはいえ、時間はほんのわずか。聖地と呼ぶのは少し強引。
焦りすぎて無駄にやらなければいいですけど。


映えると言えばインスタですが、そう言えば、以前こんな記事を書きましたっけ。

インスタ映えを意識したウォールアートに関する記事。いくらいい作品をインスタ映え目的で設置しても、その場所全体の雰囲気や特性を意識していないと意味がない(受けない・知られない)よね、という話である。
そういうことを、横須賀市ってやりがちなイメージがある。
一回関係者にどういうことなのかとじっくり話を聞いてみたいのが正直な気持ちだが。
ということで、関係者に聞いたこともないのに色々述べてしまうが、『何を』『誰に』提供するのかというビジネスでは当たり前のことを意識できてないのではと疑りを入れたくなる。つまり、ターゲット層を意識できてなく、自分たちがやりたいと思えたことをやっているのではないかと。
ターゲット層が価値を認め面白がってくれないと、まさに自己満足の産物でしかありません。
が、そもそも横須賀市が提供するプロダクトは時折ターゲット層そのものが抜けていないかと感じるそれが見受けられます。(恐らく、横須賀市だけでなく全国の地方都市で散見されるのでしょう)
ウォールアートはドンドンと増えているようだが、肝心のインスタで『スカジェニ』『横須賀 ウォールアート』などのキーワードで検索してもそれほど出てこない。関係者除けば、月に数人が数枚投稿している程度。ないよりはマシだが、月で数枚は成功しているとは言えない。
筆者としては、ウォールアートが間違っているとは言わない。場所やターゲット層が意識できてないだけではと思っています。
10000メートルプロムナードを意味づけたいための試行錯誤なのだろうが、そもそもそれ自体が間違いだったのではと?

件の通り、ビジネスでは誰に何を提供して、顧客にとってどのような価値を生み出せるのかが基本となっております。
当たり前の話ですが、顧客を無視してプロダクトを作っていては意味がありません。
つまり、横須賀に観光に来てくれるような人や、インスタを利用してくれる人は誰なのか、そういう人にどのような価値を提供すればいいのか、をもっと探っていく必要があるのではないかと思えるわけです。
探れていれば、あんな場所に作ろうとは思わないはず。
もっとハッキリと海が見れる場所や、それこそウォールアートと雰囲気がマッチしているドブ板や三笠公園、他の観光施設とセットで売り出すなどしていたはず。インスタと女性を意識するなら、葉山から流れてきそうな立石、そもそも絵になるくりはま花の国、海とセットの横須賀美術館付近などもいいかもしれません。ドブ板は女性ウケではないかな?


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などなど、またもウォールアートにたいする疑問をぶちまけてしまいましたが、話を変えましょう。

今回話たかったことは、この来客していただける人を意識できてるかどうか、です。

数年前のデータですが、興味深いので紹介しておきます。
調査結果のPDFを見ていただけますでしょうか?
中心市街地のデータを確認して下さい。これは、軍港巡りや記念館三笠に訪れた人のデータになります。
男性の方が多く、年代を見ると4、50代が目立ちます。恐らく、このエリアは中年男性にウケがいいことと思われます。
少し移動すれば海上自衛隊の船も見えますので、やはりミリタリー趣味の人が多く訪れるのかなと。
ドブ板通りの雰囲気も、どこかアメリカのマッチョな男たちといった雰囲気がありますよね。夜歩けば、アメリカンなバーの灯りが「日本だっけ?」と問いかけたくなるような雰囲気に変貌しますし。
また、艦これやハイフリなどのアニメファンは恐らく男性が多いと思われます(データなく個人的憶測で書いてしまいますが)。
このことからも、この一帯の主力顧客層は男性、特にミリタリー系が趣味の4、50代中年男性、と思われます。
すぐ近くのショッピングモール、コースカからもファミリー層が流れていそうですが、純粋観光客は中年ミリタリー男性が多いでしょう。

となれば、こういった層に受けることを徹底的に仕掛ければより受けるエリアになるのではないでしょうか? 変に女性受けを狙っては、逆に街の雰囲気に統一感が出なくなり、何を売りにしているのかが分かりにくくなります。街に色がなくなるのはかなりの痛手です。
つまり、インスタ映えを狙っても仕方ないなと。

じゃあ、女性観光客は無視していいのか? といえば、もちろんそんなわけはありません。
汐入からドブ板通りエリアに限った話であり、女性客は他のエリアで重点的に狙うべきでしょう。
(三笠公園は、そもそも公園なので家族連れも多そうだし、カレーフェスの利用もあるし、猿島もあるのでまた別枠になるかもしれません)

https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2150/documents/kokunaikannkoukyakudoukou.pdf
(三浦半島 観光動態調査レポ)

似たような調査報告書ですが、上記リンク先を確認してください。(リンクアドレスを埋め込めなかったので、お手数ですがコピペで対応していただけますでしょうか)
横須賀市だけでなく、鎌倉や逗子など、三浦半島全体の観光データです。
このデータでは、各エリアでの男女比や年代構成も記録されています。
これを見ると、また面白いことが分かってきます。
鎌倉の男女比では、明らかに女性の方が多い。エリア内で鎌倉だけ女性が上まっています。神社仏閣を巡るのは女性が多いということでしょうか?
逆に、横須賀ではやはり男性の方がハッキリと上まっています。鎌倉以外はどこも男性が上まっているが、特に横須賀は頭一つ抜いた傾向です。(葉山が男性が上まっているのは意外)

鎌倉と横須賀での観光客の質が違うのがこのデータから分かってきます。
つまり、横須賀線一本で気軽にたどり着ける地のはずなのに、この二つのエリアではつながりが薄いのです。
三浦半島流入別構成比では、横須賀線利用者が多いのも分かっていますが、鎌倉で満足してしまうのか横須賀までは来てくれない。日帰り客が圧倒的に多いとはいえ、鎌倉を巡ったからまた改めて別の日に横須賀まで足を伸ばそうとはなっていないのかもしれません。

観光エリア周遊ランキングを見ると、横須賀⇄三浦の2つを巡る人は割といるものの、他の構成はあまりないようです。
鎌倉⇄横須賀は8.4%。
やはり、日帰りで満足するようです。

改めてデータを眺めて観ると、新たな課題も見えてきます。
そもそも、三浦半島観光は神奈川県内や東京を中心とした関東圏内からの日帰り来客が断然多く、関東から離れた遠方からの泊まり客が断然少ない。
これでは、鎌倉巡った翌日は横須賀まで足を伸ばそうとする人も少ないはずです。
関東外の遠方来客にも、泊まりがけで三浦半島の複数ポイントを観光していただけるようなイメージづくりが必要ということです。
ここが本当に弱いのでしょう。
東京観光は選択肢に真っ先に上がるが、三浦半島という選択肢はそもそも出てくる人が少ないのかもしれません。

三浦半島の各エリアを細分化して見られては、泊まりがけしてでも観光しようとはならないのかもしれませんね。
各エリアという点ではなく、三浦半島という面で魅力を訴えかけないといけないと思われますが。
三浦半島全体を改めて見直して、全体の魅力は何かを提示し直す必要があるのではないでしょうか。そのためにも、面としての新たな戦略が必要です。


これらのデータを見て考えることは、鎌倉を始めとした近隣エリアの女性観光客を横須賀まで誘導できるか。
そして、関東外の遠方来客、特に宿泊客をどこまで増やせるか、ということになるだろう。
となると、ますますインスタへの戦略などを洗練させる必要があるし、女性が楽しめるような観光コースを創出させることが重要なのではないか。
観光客があまり訪れなさそうな場所にウォールアートを設置したり、軍港巡りの桟橋にモニュメントを設置したり、昼間開いている(上がっている)ドブ板のシャッターにアートを施したりと、顧客利用を意識できていない、設置側の独りよがりとも捉えられてもおかしくない戦略ではまずいでしょう。
むしろ、インスタを頻繁に利用しているような人たち、特に女性陣に権利を投げてもいいのではないでしょか。
もし、決定権がある人間が男性、特に中年以上のオヤジたちばかりなら、すぐに改めるべきである。おっさんの独りよがりに鎌倉の神社仏閣巡りする女性陣の心はついていけないでしょう。

先に触れた通り、やはり汐入周辺地区はオヤジたちに委ねてしまって、横須賀線でも行ける久里浜や葉山から南下して横須賀の西側エリアなどを女性観光客重点観光エリアとして攻めるべきなのかもしれない。

ということで、40代男性の話はこの辺で閉じます。
とにかく、どういうターゲット層にどういう価値が見出せる何かを提供できるのか、これを忘れずに企画は立てて欲しいものです。

西側エリアの代表的観光地『ソレイユの丘』も4月からリューアルオープンして、大幅に施設を改装したようで。
見た感じでは、家族連れに大変受けそうな雰囲気。オシャレなお店も呼び込んだ様子ですし。
(eスポーツ体験施設は、自然体験を売りにしてる場なのでかなり疑問は残りますが)
女性目線を積極的に取り入れつつ、横須賀だけでなく三浦半島エリア全体で観光がより活性化できるように関係者は務めて欲しいものです。

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