わかりあえない世界でよかった〜RIC・ウツ編#7
起きた直後の声は、大事にしている。
目が覚めたら、何らかのタスクに手をつける前に、
自分の内側に湧き上がる声に耳を傾ける。
そういう時間を取る習慣を、夫が亡くなってから、身につけた。
朝だから、まっさらな気持ちで、いろんな考えやイメージを受け止められる。
ある日の朝に、自分の進む先を決める声をとらえた。
それは、この身を捧げて、子どもたちやその親を支援していくことだった。
その声を聞いて、教育に携わろうと決断した。
もしかしたら、ちょうどその頃に観ていたエリザベス1世の映画の影響もあるかもしれない。
彼女は、「私はイングランド(英国)と結婚している」と言い、独身を貫いた。
独りで生きて、広く他者に尽くす。
私もそんな生き方をするんだなと思った。
そう、思った。
決意したというより、とても自然なこととして受け入れた。
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何をしてどう生きるかは、誰かに相談するよりも、まず自分に聞くもので、そして、最終的に相談する相手も自分でしかありません。
周りの人との距離はそれぞれあるにせよ、人は結局孤独なものです。
誰も自分以外の人にはなれません。
「わかる」なんて言葉は、いつもいい加減なのです。
でもまぁ、もしも自分とまったく同じ人だけで構成される世界になったとしたら。
想像するだけでも気が狂いそうです。
そんな世界じゃなくてよかった。
それがせめてもの救いかもしれない。私はそう思います。
ただそれでも、人はわかりあいたい、わかってほしいと望まずにはいられない。
幻想だとしても、わかりあえたと思えたときは心底嬉しい。
けれどそれはそれとして、私に頼れるのは、結局のところ私しかいません。
私を信じて、私を頼る他ないのです。
私は私の人生を決められる。それを信じてみる。
それが自分の人生を生きるということではないか。
今朝も静かに心の声を聞いて、一日を始めた。
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