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デマに引っかかる人の特徴10選

私には野菜の自家採種歴が15年以上あるのですが、これまでに有機農業や自然農法に関する数多くのデマを見てきました。そんな中、Twitterなどで観察するうちにダマされやすい人には10個の特徴があることにも気付きました。今回のnoteはその特徴をまとめたものです。

その10個の特徴とは
①内容よりも「誰が言っているか」を優先する
②存在意義or無力感が感じられる物語は心に刺さりやす
③「自分は攻撃されるほど価値のある人間である」という思い込みが強い
④自分には特別な力がある(選民意識、ダニング=クルーガー効果)
⑤失敗を認められず正当化したがる
⑥バイアス(思い込み)が強い
⑦損失回避&現状維持(怠惰)
⑧因果関係や相関関係を理解できない
⑨デマによく使われる定番のストーリーは4つ
⑩自然派の反○○運動の向こう側には大麻ビジネスがある


①内容よりも「誰が言っているか」を優先する
ダマがはびこる原因として、最も大きな要因がおそらくこれです。多くの人は「その人が信用できるかどうか」で情報の信ぴょう性を判断する。簡単に言えば権威性(誰か)・社会的証明(所属コミュニティー)・好意・印象など、情報の中身とは関係のない要素で判断するのです。

例えば
・種苗法に関するデマを流布している元農水大臣による権威性の悪用。
・お歳暮のギフトとしてハム・お肉・油の詰め合わせが定番である理由は、ずっしりと重い=高級品という印象を与える。
・情報商材屋がの手ごろな値段(1500円程度)の書籍を出版することが多いのもブランディングが目的です。固くてずっしりと重みのある書籍にすることで、お歳暮ギフトとして肉や油の詰め合わせが定番であるのと同じように情報源として”まとも”に見える。さらに作家という社会的証明が加わることで、信頼できる情報源という印象を与えることができます。
・自然派食品やホメオパシー系の詐欺師たちが「学校給食に有機農産物を使ってください」と各地の市長に陳情し、その姿を新聞社に取材させるのも権威性や社会的証明を利用するためです。

驚くことに、知能の低い人は政治家の隣に立っている人物がどんな人物なのか深く考えたりしません。写真が新聞に掲載されれば「政治家のお墨付きのついた団体に違いない」「政治家と同じくらい立派な人物に違いない」と確信する人が多いのです。実際には政治家と何もつながりが無く、一方的に要望を伝えただけだとしてもです。


②存在意義や競争優位性を感じられる物語は、凡人の心に刺さりやすい
TwitterでもYouTubeでも共通の傾向として、自分語り系のコンテツは不人気です。その一方で、存在意義の証明、あるいは競争で有利に立つ方法などのコンテンツは人気です。

特に不安を煽ってから存在意義の証明や競争優位へ話しが展開するストーリーは、サギ師や扇動家がよく使う手口なので注意が必要です。

世間の大半は美貌も知能も才能もない、善悪の判断すらできない凡人ですから、そんな凡人を狙い撃ちするコンテンツが量産されるのも当然といえます。

「あなたは今、修羅の世界にいる、しかも生存競争で不利な立場にある、生き残るためには闘争しなければならない、あなたは真実に気付いている」という物語を農業系のデマに当てはめると、「バイオ企業や政治家は国民をダマして農薬や遺伝子組み換えの規制を緩めようとしている、私たちと一緒に巨悪と戦いましょう」や「真実を知ったあなただけが、家族の健康を守れる」となる訳です。


③「自分は攻撃されるほど価値のある人間である」という思い込みが強い
陰謀論者に対して、悪人とされる政治家や企業が悪いことをする目的を聞いても、まともな答えが返ってくることは、まずありません。これは種苗法・除草剤(ラウンドアップ)・食品添加物・ワクチンなどの陰謀論についても共通の特徴です。

例えば「ワクチンで殺される」という陰謀論は、「自分には殺される理由がある」という前提ですよね。ところが国家が納税者である国民を攻撃する目的が何なのか?製薬会社にどんなメリットがあるのか?と質問しても「ワクチン利権が‼」というチープな答えしか返ってきません。要するに陰謀論系のデマに引っ掛かる人たちは自意識過剰なんです。


④自分には特別な力がある(選民意識、ダニング=クルーガー効果)
人は誰でも「自分は特別な存在」と思いたいもの。ところが実力以上に自己評価が高いと思わぬ失敗の原因になってしまうもの。詐欺師たちは、そんな心の弱さを利用してくるのです。

例えば、意識高い系の若者が原発や火力発電を批判して、現場を知る技術者からコテンパンに反論されることがあるのも、選民意識やダニング=クルーガー効果で説明がつきます。

自然農コミュニティーの中で、キーホールガーデン(野菜の苗を円弧状に並べる非効率な栽培方法)やヒンメリ(藁に糸を通して作る多面体の装飾品)といった宗教的な活動が流行るのも、「自分は霊的な力を感じ取れる自分は特別な存在」という選民意識や、特別な人間になりたいという憧れが原因と考えられます。※私は心理学の専門家ではないので間違っているかもしれませんが。


⑤失敗を認められず正当化したがる
キーホールガーデンや無農薬・無肥料栽培などの非効率な栽培方法が界隈で推奨される理由として、サギ師の側にとって重要なメリットがあるという点も無視できません。

例えば自分の反ワクチン活動が原因で家族を殺してしまった人の気持ちを想像してみてください。おそらくは「自分のせいで家族が死んだ」と過ちを認めるのではなく、「特効薬のイベルメクチンを使わなかった医者のせいだ」と失敗を正当化したがるはずです。

このように、人間には大きな苦痛(代償)と引き換えに手に入れたモノ(この例では反ワクの知識やコミュニティー)を過大に評価する傾向があります。この傾向は対価として支払った苦痛が大きいほど強くなります。詐欺師たちは『失敗を正当化する心理』を巧みに利用することで、効率よく信者を繋ぎ止めることができるのです。

振り込め詐欺のニュースで「ここで手続きを止めたら、今までに払った入会手数料の50万円が全部無駄になりますよ」という意味不明な理由で大金を差し出す被害者が後を絶たないのも、失敗を正当化する心理で説明がつきます。


⑥バイアス(思い込み)が強い
バイアスは「偏り」という意味です。バイアス(経験や固定観念)に基づいて思考のショートカットをすることで、判断が早くなるメリットがあります。しかし同時に愚かな判断をしてしまうデメリットもあります。大事なことは、バイアスを使った思考のショートカットが問題なのではなく、思考のショートカットを使うべきではない場面で使ってしまうことです。

例えば
・この世には白鳥しかいない ⇒ 黒鳥という例外を想定しない
・無農薬野菜や無添加食品の危険性を無視 ⇒ 比較による反証をしない
・都合のいい情報ばかり集める ⇒ そこに無い要素を見落とす
①34895、51326、79252、39745、16905
②62382、94613、61496、78462、08498
※②のグループの方が法則に気付きにくい(5が含まれていない)

デマに引っ掛かりやすい人は、このような反証や例外を挙げなかったり、都合のいい情報ばかり集めてしまうなど、バイアスを使うべきではない場面でバイアスに従った判断をする傾向が強いのです。


⑦損失回避&現状維持(怠惰)
損失回避と現状維持(怠惰)には需要がある。とくに「我慢しなくていい、逃げていい、努力しなくていい、ありのまま、自然体のあなた」という言葉は、怠惰な人の心によく刺さる。

例えば「ワクチンを打ったら死ぬ」は損失回避、「コロナはただの風邪、ワクチンは打たなくてもいい」は現状維持につながる言葉だと考えれば、デマに引っ掛かっている人の気持ちが理解できますよね。


⑧因果関係や相関関係を理解できない
「雨の日には傘をさす人が多い」という相関関係の場合、
A、雨が降る → 傘をさす人が増える
B、傘をさす人が増える → 雨が降る
この程度の問題であれば、Aが間違っていることは直感的に理解できますよね。ところが、もう少し複雑な話しになると因果関係を間違える人が多いのです。

例えば「農薬の普及でトキという鳥が絶滅した」という有名な話しがありますが、これは相関関係と因果関係を取り違えたことで生まれた都市伝説です。実際には農薬が普及するよりも前から個体数は減っていました。トキの繫殖には巨木が必要なんですが、森林伐採で巨木が無くなったことで巣作りできなくなり、そればトキ絶滅の原因なんです。ところが、解剖されたトキの体内から農薬の成分が見つかったことで「農薬の使用=トキの減少」という相関関係が、因果関係と勘違いされてしまったのです。

同じように
・農薬の普及でミツバチが減った
・農薬や食品添加物の普及でガンになる人が増えた
・F1品種の普及で不妊が増えた
・ワクチンを打ったら(高齢者が)たくさん死んだ
このような話しの多くは相関関係で説明がつきます


⑨デマによく使われる定番のストーリーは4つ
ここまでの話をまとめると、詐欺師の使う物語は大きくは4つに分類できることがわかります。ここに何を持ってくるかで詐欺師の個性が問われます。

陰謀論型
宇宙人と戦う映画のように、ドラマチックなストーリーで「巨悪を倒せば自分もヒーローになれる」と思わせることで愚民を動かすタイプです。このタイプは善vs悪というバカにも分かるシンプルな設定(2項対立)で、「明るい未来を作るカッコいい俺様」という世界観。その上で共通の敵を作って仲間と団結するのが特徴。
例えば
・気候変動は金に汚い大企業のせい
・治安が悪いのは外国人のせい
・ビルゲイツが、ワクチンで人口削減を企てている
・警察が不祥事をもみ消した

サギ師型
「こうなったらいいな」という欲望に沿った興奮するストーリー。陰謀論型や教祖型と異なり証拠や根拠を示す。ただし証拠や根拠といっても、そのほぼ全てが生存者バイアスなどを含む不適切な内容ばかり。
例えば
・1日5分スマホをポチポチするだけで月収50万円達成
・登録するだけで可愛い女性が寄ってくる出会い系アプリ

教祖型
頭を使わなくていい思考停止の楽なストーリーが特徴。この型は疲れて消耗している人や、不安を感じている人の心に刺さりやすい。「○○しなくていい」という形で行動しない理由を与え、行動を起こさないことに対する罪悪感や不安感への免罪符を与える。陰謀論型と同じく、共通の敵を作り団結心を煽ることが多い。

例えば注射が怖くてワクチンを打ちたくない人には「ワクチンは毒、打ってはいけない」という言葉で正しい側にいるという安心感を与える。怒りたい人には「あなたは弱者だからもっと怒っていい」という言葉で怒ることへの免罪符を与える。マスクを強制されたくない人には「コロナはただの風邪、マスクなんて効果が無い」という言葉で「本当はマスクをした方がいいのかな?」という不安から解放し、心理的な自由を与える。

予定説
陰謀論型・サギ師型・教祖型のストーリーで騙した被害者が逃げそうになったら、詐欺師たちは決まって予定説を使います。予定説とは「あなたが幸せなのは、私の言葉を信じているからですよね?=信じないと不幸になりますよ」といって脅す論法のこと。具体的には「子供のアトピーが進行しないのは無添加の食品を食べているからですよね?普通の食事に戻したら今よりひどくなみますよ」などです。つまり逃げた先に地獄を用意することで、恐怖で逃げられないようにするのです。

これらのうち、とくに注目するべきは陰謀論型と教祖型です。なぜなら、この2つのストーリーに陶酔しやすい人は性格が似ており、詐欺師グループが講習会などを通して、お互いの信者を回遊(交換)する仕組み組みとセットで語られることが多いからです。

例えば、反ワクチン・無添加食品・無農薬野菜の教祖が何人か集まり、共同でイベントを開くとします。この時に、「人工的な物を体に入れたら死んでしまう、あなたの言ってることは私も正しいと思う」と教祖同士が褒め合うことで、お互いの権威を増強しながら信者の交換ができるのです。このようにして自らの意志で入団した信者が相手であれば高額な商材でも売りやすいですよね。


⑩自然派の反○○運動の向こう側には大麻ビジネス
これは「ダマされやすい人の特徴」というより、有機農業や自然派食品業界の闇といった方が適切かもしれません。

反農薬・反ワクチン・反食品添加物などの反○○な活動を行っている人達って、なぜだか人目に付きにくい離島やド田舎に集まり、「世捨て人の楽園」のような気持ちの悪いコミュニティーを作ることが多いですよね。具体的な名前は書かないですが、医療用大麻を承認しろと主張している俳優や音楽家とか。不思議なことに彼らと一緒に活動している仲間たちばかり、次々に薬物事件で逮捕されていますよね。要するに、彼らは「ロハス・オーガニック・マクロビ・ホメオパシー」などを大麻ビジネスのカモフラージュとして利用して、そうゆう事をしているんですよ。

自然派の活動家がデマを使ってまで種苗法に反発する理由も、農家の自家採種の権利(農家が苗を増殖する権利)を守るためではなく、背後にある大麻ビジネス(大麻の栽培)が目的と考えて差し支えないでしょう。

・自家採種、反種苗法
・無農薬、在来種、反F1品種
・有機食材を使った給食の推進
・民間療法、医療用大麻
・反現代医療、反ワク
・グルテンフリー、リーキーガット
・腸内環境の改善、腸活
・無添加、自然派コミュニティー
・解毒力、集中力の向上
・脳細胞の再生と保護
・デトックス、アーシング
・自然治癒力の向上
・抗菌作用

↑これらの言葉は、自然派の人達が共通して使う宣伝文句の一部ですが、最終的には自然派食品や危険な成分を含むサプリメント、大麻関連商品に誘導されます。

実際、高確率で自然派食や反現代医療と大麻のコミュニティーは繋がっており。カンナビジオール(略称:CBDオイル、合法の大麻成分)の販売や宣伝、医療用大麻の承認を目指す活動を行っている人が多い。そして先ほど書いた通り、その集まりの中から何人もの逮捕者が出ています。

このnoteの最初の項目で①内容よりも「誰が言っているか」を優先するの所で『自然派食品やホメオパシー系の詐欺師たちが「学校給食に有機農産物を使ってください」と各地の市長に陳情し、その姿を新聞社に取材させるのも権威性や社会的証明を利用するためです。』と書きましたが、この有機農産物を使った給食の奥にも大麻があると考えられます。

現代医療や人工的な化学物質の否定 = 無農薬・反ワクチン・ハーブ(大麻)を使った民間療法という流れです。


まとめ
自然派や反ワク系の人たちとは距離を取りましょう。

詐欺師とバカは説得できません。無理です。下手に近づくと健康とお金を搾り取られます。そこまで行かなくとも、ネットのコニュニティーは第三者からも丸見えですから「あの人と、この人はつながっている」と思われるだけで、面倒なにトラブルに巻き込まれます。進学や就職、あるいは結婚で大きな足かせになります。

さらに、医療や食に関するデマが自分の目や耳に入るだけでも、騙されて損する確率が上がるのですから、関わらない方がいいのは明らかです。

#陰謀論 #反ワクチン #ホメオパシー #無農薬栽培 #グルテンフリー #無添加 #デマ

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