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自由になんてなれないから、好きな不自由を選びなよ

「自由に生きたい!」

コロナ禍によって人の生き方が変わった。

通学をせず家で授業を受ける。

ZOOMがある。PDFで書類は配布できる。会話はメールでできる。

「あれ?行く意味ある?」

仕事もそうである。

満員電車でクシャクシャにされながら通勤をせずとも家で仕事ができることに気がついた。

「あれ?行く意味ある?」

もちろん全員ではない。

だけど自分の家で仕事をし、通勤・通学みたいな「移動の時間」や生産性のない「他者との関係」をしなくてもいいことに気がついた。

「もしかしたら自由に生きられるのかもしれない」

だから「副業」という言葉が流行りだして、「稼ぎ」というのへ注目が集まった。

自分の好きな時間に、好きなことをして稼ぎが得られればこんなに幸せなことはない。

そんな夢を見る人はキラキラしている。

だけどこれだけは言っておきたい。


「あなたは自由になれないよ」


自由ってなんだろう?

こういう時に日本語は便利。

漢字を見ればなんとなく意味が掴める。

「自」は「自分」のこと。

「由」は「よりどころ」という意味があるらしい。

つまり「自分をよりどころにすること」が「自由」ということである。

なんとなく「自由」と聞くと「どこへでも羽ばたける」とか「誰にも縛られない」みたいなことをイメージする。

しかし「自由」は「自分に縛られる」ことを指している言葉なのである。

厳密に言えば「自分から自分へ縛られにいく」感じだろうか。

鳥のように 羽があれば
どこへだって行けるけど
帰る場所がなければ
きっとどこへも行けない

悪魔の子|ヒグチアイ

帰る場所が無いければどこへも行けない。

「会社」という「よりどころ」があるから「副業」に行こうと思える。

「通勤時間」という「よりどころ」があるから「在宅勤務」に行こうと思える。

「不自由」という「よりどころ」があるから「自由」になりたいと思える。

しかし一般に浸透しているイメージの「自由」になったところで「よりどころ」が無い。

だから結局「よりどころ」を求めて縛られに行く。

そんな訳で「あなたは自由になれないよ」なのである。

ただ、この世界はそんな絶望的な場所では無い。

自由に不自由を選ぶことはできる。

  • 「自分は何がしたいだろうか?」

  • 「自分は何ができるだろうか?」

  • 「自分にはどんな需要があるだろうか?」

そうやって「自分をよりどころ」とした本来の「自由」な思考で物事を考えることができれば、あなたに合った「不自由」を選ぶことができる。

この世は制限無しには生きられない。

生まれ持った体は死ぬまでこのままであるし、染みついた価値観はそう簡単には変わらない。

生きているだけで不自由であり、自由になることなんてできはしない。

だったら好きな不自由を選ぼうよ。

僕はどうやら文章を書くのが好きらしい。

執筆時間を取られ、発想の時間を取られ、発想するために日々アンテナを張り続けなければならないこの不自由な行動。

でもこの不自由は好きだ。

僕は自由にこの不自由を選んだ。

鍵はいつでも開いている檻の中って感じ。

嫌になったらアカウントを消して失踪してしまえばいいのだ。

いつでも抜け出せる。

だったらもう少し、檻の中で楽しもうと思う。

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