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「君を雇ったおぼえはないよ」

みなさん、こんにちは。
労基署にいる社会保険労務士、黒田英雄です。

新型コロナウイルスの影響によって、業務を続けることが難しくなったという会社からの相談が急増しました。
同様に、仕事が休みになってしまったが給料の補償がない…という労働者の相談も増えてきています。

労働トラブルが発生したときに、労働者がどういう条件で雇用されていたかというのは、とても重要な情報です。
それを確認するものが「雇用契約書」なのですが、残念ながら「もらっていない」という労働者がとても多いのが現状です。

雇用契約書の作成は、法律で義務付けられているわけではありません。
しかし、万が一トラブルになったときに言った言わないにならないためには、必ず交わしておくべきものです。

「君を雇ったおぼえはないよ」

極端を言えば、会社が労働者にそう言えてしまうこともあるのです。

「いやいや…それは極端すぎるでしょ」
そう思われる方もいるでしょう。

でも実は、よくあることなのです。

それは、請負や委託などです。
外注と言えばイメージがつきやすいでしょうか。

賃金の未払いが発生し、会社に問い合わせると「賠償金と相殺した」などと言われた、という相談はかなり多くあります。
賃金から一方的に天引きするのは労働基準法違反ですが、社長は外注を主張するというものです。

外注だとすると、労働者ではなく個人事業主ということになり、労働基準法が適用されなくなってしまいます。
雇用契約書が手元にあればすぐに反論できますが、ない場合は労働者であったという証拠を積み重ねて主張しなければなりません。

新型コロナによる休業でも、同じことが起きる可能性があります。
仕事が休みになっても「外注だから休業手当は払わないよ」という会社が出てくるかもしれません。

労働者は貴重な時間を使って労働力を提供し、賃金を得ます。
会社はその労働力によって利益を得て、そこから賃金を払います。

そのことをお互いにしっかり確認した証として、雇用契約書をきちんと交わしましょう。
そして特に労働者のみなさん、内容もしっかり確認しましょうね。

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ラジオレギュラー「ろうどうステーション」
You Tubeに動画がアップされています。

※写真はインスタでアップしているものです。
kuroda_hideo(黒田英雄)で検索してみてください。

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