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高校生最後の文化祭と母の眼科受診ー色々なダブルケアの物語【10】ー

4日振りのnoteです。

noteをお休みした3日間で…しっかり休みしました。と書きたいところだけど…なんだかんだで、色々なことをしています。

とはいえ、10月末のイベント関係や、2月のイベントに関すること等、色々なことを同時進行で…ついつい、よりよい形となるようにと抱え過ぎちゃって…体力、気力、いっぱいいっぱい使っちゃうんですよね…。←これって、私の性格💦 少しずつ改善していたいなぁ。

今日(11月8日)から86日後…

2月2日はダブルケアの日。
そして、2月はダブルケア月間です。

子育てと介護が重なる『ダブルケア』について知ってほしい。

その想いから、ダブルケアに関するnoteを書いています。

私のnoteを読んでいただくことで、ダブルケアのことをそうなる人がいる特別なことではなく、自分のまわりにもいそうな身近なことなのだと感じてもらえたら嬉しいなと思います。

ダブルケアというのは、1つの家族の在り方で、周りや本人が気づいていないだけで、ダブルケアをしている人というのは、意外と多いのです。

何より、100人いたら100通りのダブルケアがあると言われています。

この物語が、周りにいるダブルケアの人を理解するきっかけになってくれたら嬉しいです。


とある家族の物語。

ミヅキは46歳。
大学2年生の長女と高校3年生の長男、二人の子どもの母親です。

子ども達が大きくなって、お世話する、一緒に遊ぶという感じの子育てではなくなりました。子ども達がしっかり夢を叶えられるように、親として関われる限りある時間の中で、自立できるように、応援する感じ(といっても教育費のために働くことが中心)の子育てかなとミヅキは捉えています。

夫(51歳)と二人の収入では、なかなかいっぱいいっぱいの経済状況。
学費は親が払うけれど、大学生になると交友費などのお小遣いは、バイトして自分で稼ぐのがルールです。

長男も、もうしばらくすると、大学受験、そして、春からは大学生(になれますように)。

子ども達の成長は早いなぁと感じるミヅキです。

そんなとき、ふと長男から「今度の土曜日の文化祭に来て!」と頼まれます。

長女が、前にその話題を出したときは、「恥ずかしいから、姉ちゃんとか母さんとか絶対来ないで!」と言っていたのに…。

開催日が近づいてきたら…売り上げの心配もあり、家族にも来てもらう形に方針が変更になったようです。必ず自分のクラスの模擬喫茶でお茶をするように、できたら甘味も食べてほしいと頼まれました。

コロナの関係でしばらく学校行事がなかったから、高校に様子を見に行くこと事態がとても新鮮です。どんな服装でいこうかなと悩むミヅキです。

そんな折、母親(71歳)から電話がありました。「今度の土曜日に病院に車で乗せていって。少し遠いけど評判のいい眼科の予約が取れたの。初診だから、時間かかるから、ランチぐらいおごるわよ。」

話を聞いてみると、ものが霞んでみえたり、ぼやけたり…視力の問題なのか、年も年だから目の病気を疑った方がいいのか…心配しているようです。

それで、知り合いから聞いた、少し遠いけど、評判のいい眼科に予約を取ったようです。もしも、手術とかが必要な場合も想定して、その病院にしたようです。

人気のある病院で、たまたまキャンセルが出たので、急遽予約が取れたようで、ラッキーだと喜んでいる母親に、その日、用事があるとは言い出せないミヅキがいました。


ミヅキは、しばらく悩んで妹ユカ(42歳)にLINEしました。

「今度の土曜日、空いていない?長男の文化祭があるんだけど、B高の3年2組の模擬店に行ってくれない?」

「行ってもいいけど、お姉ちゃん行かないの?」
「お母さんから眼科に連れて行ってと頼まれて…、目の調子が心配で、少し遠いけど評判がいい眼科の予約取ったんだって。なかなか予約取れないみたいだから、変更したくないみたいで」

「だったら、私がそっちに行くから、お姉ちゃんが文化祭行きなよ。」
「でも、ユカ、子ども達は…?文化祭なら子ども達と一緒でもいいかと思って…」

ユカの子ども達は、4歳と6歳の幼稚園に通う女の子達です。

「子ども達は、夫に頼むか、幼稚園の預かり保育に聞いてみるよ。ダメなら、火曜日だから、ファミサポも頼めそうだし…。なんとかなるよ。」

ユカが続けます。
「それより、お姉ちゃんにとって、息子の最後の文化祭って大事なイベントじゃない!そっちいかないと、後悔するよ。」

ユカに頼んで、ミヅキは長男の文化祭に。(ユカの子ども達は、夫が仕事を変われず、幼稚園の預かり保育に。)

母親の目の病気は、白内障でした。

日帰りでも可能だということでしたが、念のため3日ほど入院する形で、1ヶ月後に手術を受けることになりました。

手術の1週間目に診察があります。目の病気だからこそ…可能な範囲で母親本人にいつも通り生活に関することはしてもらう形を取るのですが、必要な最低限のことは、ミヅキとユカがLINEでやり取りをしながら、協力しながらお世話することにしました。


この物語の中で、ミヅキもダブルケアです。
そして、ユカもダブルケアです。

高校生や大学生のような子どもの子育ても、ダブルケアの中の子育てに入ります。

そして、子育ては、各々の生活の中で、子どもの年齢に関係なく、大切な子どもとの時間が必要不可欠です。
その大切なタイミングが介護(家族のお世話)における用事と重なることもあります。

今回、この物語を創作したのは、小さな子どもを抱えているダブルケアの人と、手のかからない状態に成長した子どものいるダブルケアの人が同時に(家族や職場に)いる場合に、小さな子どもの方を優先することが常に大事ではないことを感じてもらいたかったからです。

創作とはいえ、ミヅキやユカ、お互いの思いやりによって、成り立っているのだと感じます。

もしかしたら、白内障の術後、順調に回復したら、今まで通り、特にお世話(介護)の必要のない生活に母親は戻れて、ダブルケアは、さしあたってその期間のみかもしれません。
あるいは、母親のこれからの状態(他の病気やケガなど)によって、また、ダブルケアになるのかもしれません。

ダブルケアというのは、誰にでも起こり得ることであって、特別なことではありません。

だからこそ、ダブルケアの人がいることを前提に考えてみたら、よりダブルケアしやすい、地域や社会の工夫があるのかなぁと感じます。


この物語は、ダブルケアを身近に感じてもらいたいなと創作したフィクションです。




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