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【パルクール体育】パルクール体育の魅力

こんばんは。
前回は、器械運動のもつジレンマから、パルクール体育を考えたきっかけについてお話しました。

それを受けて、今回は改めて「パルクール体育の魅力」をお話します。



1.だれでも「できる」を味わえる。

パルクール体育の魅力をまず一つ挙げるとすると
「全員が できる を味わえる」ことにあると思います。

パルクール体育では、パルクールの目的を「自分なりにカッコよくクリアしていくこと」に置きます。「○○の技をおこなう」のではないのです。

そうです。「コースを全てクリアすること」が課題クリアの最低基準ですから、どんな越え方でも良いのです。そうなると全員が「できる」の段階にい続けることができます。
もちろん、教師側から見ると、身体的なリテラシーという視点では個人差はあります。しかしながら、「その差を子どもたち自身が感じにくい」というのがパルクール体育の魅力です。

では、なぜ、その差を子どもたちが感じにくいのでしょうか。

それは…「全員が違う技をやっているから」です。

例えば、目の前に5段の跳び箱があったとします。
これを、開脚跳びで越える子もいれば、台上前転で越える子もいる。よじのぼって越える子もいれば、手も足もつけずに跳び越える子も。全てOKなのです。ここまで技が絞られないと、子どもたちも動きを比較されることがないので、全員が「できる」という気持ちを味わうことができるわけです。

この「引け目を感じない構造」というのはものすごく大事。
パルクール体育には、引け目を感じずに「できる」を味わえる構造ができているのです。

2.多様性を基本としている

上の内容と繋がりますが、パルクール体育では、基本的にどんな技でもOKです。全て「認める」ことを基本としています。「この動きはいいけどこの動きじゃダメ」ということはありません。

むしろ、他者と違う技を行うことを推奨しています。

視点を変えると、同じ技だとしても、膝が伸びていることをカッコイイと思う子もいれば、膝が曲がっているのがカッコイイと感じる子もいるかもしれません。
そうです。
子ども目線で言えばどちらも「良い」のです。
一番は「自分が満足しているか」ですから。

器械運動では、どうしても、「技の美しさ」の基準が決まっています。それがあることで、身体的リテラシーを伸ばすことにつなげることができるのですが、それは同時に「できない」を生みやすい一因でもあります。自分を基準にするのでなく、理想的なモデルを基準とするからですね。

パルクール体育は少し違います。理想はあれど、それは各個人でもっています。人と比べる必要なく、自分が自分らしくいられる。それを体育の中で保障していく。
それが「パルクール体育」
です。

3.既存の「器械運動」をそのまま生かすことができる。

パルクール体育の年間計画は
①パルクールコースで動いてみる。
②器械運動の3単元を実施(数か月を見ています。)
③パルクールコースで、各器械運動で身につけた動きを生かしてパワーアップ
という3段階です。

パルクールの動きを楽しむだけでなく、それを起点とし、また目的にしながら、既存の器械運動3単元を絡め、年間を通じた大きな単元として考えていきます。

こうすることで、器械運動の3単元を行う際の「目的」も児童の中ではっきりもつことができ、器械運動の3単元に対するモチベーションも維持できます。(特に、運動を苦手とする児童)

具体的な実際の話はまた後日、記事にまとめていきます。

さいごに

以上のように、器械運動のもつジレンマを解消しつつ、器械運動の魅力を生かしながら児童が意欲的に身体的リテラシーを向上させていくことができる流れが、パルクール体育にはあるのです。

では、このようなパルクール体育は実際にどのように行っていけばよいのでしょうか?

次回はそんなお話です。

では、今日はこの辺で。。。

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