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自己投資が最も効率の良い投資先である

株式投資には「高配当株」と呼ばれる銘柄がある。株価の上昇よりも毎年の配当金に期待して利益を得ようとする銘柄である。

日本株でいえば花王が代表的だろうか。米国株ではエクソンモービルやAT&T、コカ・コーラといったところが当たる。

別に明確な基準がある訳ではないが、株価に対する年間の配当が3%くらいになると「高配当株」とされるようである。

仮に1000万円分の株を持っているとして、3%と言えば年間30万円である。月に直せば2万5千円となる。この金額、どう思うだろうか。

一般的に言えば、毎月2万5千円はありがたい。毎月ちょっとした贅沢もできるし、何か月分か溜めておけば国内旅行くらいは行ける。或いは家賃や自動車ローンに充てて、少しいい家に住んだり、少し上の高級車に乗ったりすることもできるだろう。

が、多くの人にとっては「思ったほど大した金額でない」というのが正直な感想ではないだろうか。何せ、元手が1000万なのである。1000万という額のインパクトからすれば、たかだか月2万5千円ではいかにも小さく感じてしまう。

逆に考えて、毎月10万、年間120万の配当を得ようと思えば、元手が4000万円必要となる。一般的なサラリーマンとしては気が遠くなる額である。

さらに言えば、預貯金が4000万では足りない。持っている金融資産の全てを株に投資するのはリスクが大きすぎる。人それぞれの考え方にもよるだろうが、株にできるのはせいぜい半分くらいではないか。とすれば保有金融資産の総額としては8000万、考え方によっては1億ほども必要となる。

一方で、サラリーマンも40代、50代になると、同世代でも100万や200万くらいの年収差は簡単につく。1000万以上の差になることもザラにある。勤務先によっても違うし、同じ会社でも役職などによって全く違ってくる。

ひとりの人間が若い時から頑張って年間100万円の収入アップを狙うとして、株式投資と会社員としての仕事と、どちらが可能性が高いだろうか。

下手に投資にハマるよりも本業でしっかり働いて稼ぐ方が大切で、自己投資が最も効率の良い投資先であるという理由がここにある。株式などへの投資を否定するわけではないが、まず本業を頑張って、それ以外への投資はあくまで余力でやるもの、ということである。

こういうこと、もっと若いときに分かっていれば私ももっと仕事に身が入っていたのに、と今更ながらに痛感している。

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