栗栖達也

バーテンダー。夜の街で出会うお客様との記憶を発散。書いては消しての連続。

栗栖達也

バーテンダー。夜の街で出会うお客様との記憶を発散。書いては消しての連続。

最近の記事

ダンス教室の優劣感。

バーテンダーをしていると、いろいろなお客様と話をする機会がある。 今日のお客様は振付師。 吉田美優(仮名)とでもしておこう。 ダンス教室でヒップホップの指導をしているとのこと。 ダンス需要って、平成の後半からすごく伸びてるんです。 学校でのダンス教育が導入されたのにも理由があるけど、それ以上に大きいのはTikTokなどのSNSでしょうね。 TikTokでの投稿を見て、俺もわたしもあんな風になりたい。 そういう人が老若男女問わず増えてるんです。 吉田氏は語る。 ダンス

    • 心理学者との対話は気難しい。

      バーテンダーをしていると、いろいろなお客様と話をする機会がある。 今日のお客様は心理学者。 妹尾睦月(仮名)とでもしておこう。 大学の教授をしている妹尾氏。 専門は犯罪心理学。 いろいろ伺うことができた。 風貌は葉加瀬太郎。 心理学者独特の悩みを抱えているという。 心理学者っていうと、どんなイメージを持つ? 妹尾氏が質問を投げかける。 そうですね。 人の心のスペシャリストというところでしょうか。 注文の準備をしながら対話する。 そうだよね。 でもね、実際は人のこと

      • 発達障害との向き合い方。

        発達障害で悩む知人がいる。 江藤駿介(仮名)とでもしておこう。 彼の発達障害はADHD。 注意力欠陥だ。 重要なことでも期限を守れない。 順序立てて説明ができない。 物をすぐになくす。 必要ない事をベラベラ話してしまう。 感情の整理ができない。 江藤氏が語る。 決して悪気があるわけじゃないんだけど、周りの人に迷惑をかけてしまう。 期限を守れないから信頼をなくし、説明が苦手だからもどかしくイライラしてしまう。 かといって、必要でもないことをベラベラ話してしまう。 俺が他

        • 人間性は文章にはできないのか。

          とある有名作家と話をする機会があった。 学校の教科書にも載るような文豪。 伊藤進(仮名)とでもしておこう。 行きつけのバーでの話だ。 人間性は文章にはできない。 伊藤氏がこう語る。 文章っていうのは、自分が書きたいことを自由に書くものと、売れるために書くもの、この二つがある。 理想は、どう考えても前者だよね。 ウイスキー片手に、無表情で続ける。 わたしは生涯文章に捧げてきたが、「書く」ということが楽しいと思ったことはほぼない。 まー、文章を書くの好きじゃないからね。今

        ダンス教室の優劣感。

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        記事

          バンジージャンプと教育論

          とある出会いから、教育論を持つことになる。 教育論なんて、教育者の戯言だと思っていたが、人生を変える人間に出会った。 佐藤康生(仮名)、元大手企業の総務部長だ。 齢八十だが、教育論の必要性について語る。 佐藤氏は、教育論は人生を凝縮したものだと語る。 自分は何をしたいのか、相手にどうなってもらいたいか。 近い未来を導いてくれる方位磁針のようなものだと。 とにかく部下に幸せになってもらいたい。 そのために、わたしが何ができるのか。 そればっかり考えていた。 そう語る。

          バンジージャンプと教育論