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読書感想文「海辺のカフカ」

“Kafka on the shore”

「海辺のカフカ」の英語名だ。
村上春樹さんの作品を読んだことはない、それに加えて読書感想文自体をあまり書いたことはないが、一言で言うととても ‘儚い’  物事が詰まった本だと思う。

田村カフカと名乗る少年、カラスと呼ばれる少年が、猫と話すことができるナカタさん、そして物語の重要な鍵を握る不思議な図書館。

個人的に、性的な内容をメインにしている場面はあまり好まないが、それを含めてこの本の独特さと人生観のリアリズムが表現されていると感じる。

物語の場面と内容が途中途中で変わるため、この本は異なった物事の同時進行が得意な人に向いていると思う。

「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」

これはカラスと呼ばれる少年が家出をする主人公に言った言葉だ。この言葉はいい意味でも悪い意味でもこの物語の始まりと終わりを占めることになる。

ナカタさんは一歳の三毛猫 ’ゴマ‘  を探す。

年老いた大きな黒猫のオオツカさん、茶色の縞猫のカワムラさん、シャム猫のミミさん、白黒のぶち猫のオオカワさんに教えてもらいながら衝撃の形でゴマに会う。

猫好きとしては「うわぁあああ早く行けーー!」と思わず言ってしまいそうになる。

最悪の結末を何回も思い浮かべる。

個人的に一番惹き込まれたのはナカタさんと猫さん達、そして途中途中で出会う優しい人達との会話だ。
猫さんに会う度にその子に合った名前を考えるナカタさんの人柄がとても好きだ。

ナカタさん頑張れー!と応援したくなる場面も多々ある。字は読めないが、沢山の心を理解できることがナカタさんの強みだ。


意味がはっきりわかったか確かではないが、海辺のカフカの(上)で好きなセリフがある。

「シューベルトは訓練によって理解できる音楽なんだ。僕だって最初に聴いたときは退屈だった。君の歳ならそれは当然のことだ。でも今にきっとわかるようになる。この世界において、退屈でないものには人はすぐに飽きるし、飽きないものはだいたいにおいて退屈なものだ。そういうものなんだ。僕の人生には退屈する余裕はあっても、飽きているような余裕はない。たいていの人はそのふたつを区別することができない」

海辺のカフカ- 村上春樹

図書館の大島さんの台詞だ。
一回読んだだけではいまいち意味が理解できなかった。だが何回か読み返すと少しずつ意味が見えてくる気がした。

自分の地元と同じ、四国の香川県高松市にあると書かれている甲村図書館。

この図書館は実在するのだろうか。

ここ最近絵ばっかり描いていたが、読書も悪くない。これからはもっと本を積極的に読もうと思った。


🕊:   栗猫
📷:   kurineko_

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