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電気工事【11】 27歳

中々馴染めずタイヤ屋さんを退職。
間を空けずに電気工事の会社で働く。
社長と先輩社員1人と僕の3人の会社でした。
長谷工コーポレーションのマンションの工事をメインに何社かの応援で稼いでいた会社でした。
社長は僕と同じ高校の15期先輩の人でした。

まずは先輩と一緒に仕事を回ります。
先輩の手元をするので、先輩が次何が必要かなどを考えながら自分の仕事もします。
この辺はガスの配管工をしていた時に身につけていたのでそんなに苦にはなりませんでしたが、その先輩が結構暴力的でやたらと元暴走族の特攻をしていた自慢をしていたのが中々受け入れられなくて苦労します。

エピソード1
ガスの配管工をしていたと言うのは聞いていた様で工事に行くと電気工事の用語を沢山言ってこられるのですが当然わからないので、意味を聞くと、

「こんな事も知らんのか、ガスの配管工って何も知らんねんなー」

と言ってくるのですが、初めは少し言い返していました。工事が違うから知らない事も沢山ありますって言うふうに言ってましたがら、それを言うと、

「口答えばっかりで何も知らんのに偉そうやのう」

と言って殴られるので、途中からは黙ってすいませんって言う様にしてました。
しかしそうすると相手はドンドン調子に乗ってくるんですね。
電気工事は大きい現場は沢山の小さい会社が集まって工事を進めるのですが、休憩の時や昼飯の時に他の会社の人達の前でボロカスに言うてくるんですよね。周りが引いてるのもわからずに延々馬鹿にしてきて、僕は受け流すをしていた。
すると1人親方のオッチャンが後からアイツの言うてるのホンマなんか?
と聞きに来た。
僕は一緒懸命にやってますが、中々皆さんと同じには追いつけませんっていいました。
そうかーってその時は終わったんですが、その後先輩に呼び出されて、さっき話しかけて来たオッチャンの所に手伝いに行ってこいと言われて、手伝いに行きました。
半日手伝って終わりに、

「ありがとな、お前多分もうほとんど出来てるから大丈夫や」

と言われた。
それは物凄く嬉しくて電気工事やり始めて初めて褒められたので、テンションが上がったまま先輩のところへ戻った。
するとそこからはまたボロクソです。
先輩からメジャー貸せって言われて、先輩のやつを探そうとしたらええからお前のヤツ貸せと言われたので、自分のを貸した。
先輩は散らかしながら仕事をするので僕が応援にってる間に散らかっていたのを片付けていると先輩が、

「ちょっとこっち来い。」

と怒鳴ってたので行くと、

「ちょっとメジャー貸せ」

と言って来たので、さっき貸したのになーって思いながら、先輩のを探そうとすると、

「お前のヤツ渡したらええんや、とろいのーはよ出せや」

と少し怒っていましたが、僕は持っていません。何故なら先輩にさっき渡したからです。なので、

「さっき僕の渡しましたよ」

って言うと、

「何俺に自分が無くしたのなすりつけてんねん。お前持ってないんか」

と言って大激怒です。僕の腰袋に手を突っ込んでもメジャーが無いので、更に激怒です。

「電気工事やっててメジャー無くすって何してんねん」

と言って頭をどつかれました。この時点で声が大きかったので周りの人の注目の的です。
僕も言おうかどうしようか迷ったのですが、先輩が僕のメジャーを腰袋に入れるのが見えていたので、イラッとしたのもあって、

「先輩の腰袋の中にあると思いますよ。調べてみて下さい。」

って言いました。するとそこに僕の名前が書いたメジャーがありました。普段先輩はメジャーは腰袋じゃなくてポケットに入れてるので気が付かなかったんだと思います。
僕のメジャーってわかったようで、謝るのかと思ったら、周りに見られててどうしようもなかったんでしょうね。

「お前のメジャーなんか借りるかー返したらー」

と言って思いっきり投げつけられました。そして自分の忘れたメジャーをとりに行ってました。
そこでさっき僕が手伝いにいっていた1人親方のオッチャンが、

「俺が言うたるわ、アレはアイツがおかしいからな。」

と言ってくれたんですが、

「大丈夫です。僕の方の言い方かやり方が不味かったかもしれません。皆んなに見られてて引くに引かれへんなってしまったんだと思うんで、大丈夫す。
でも、ありがとうございます。次酷い事がありましたらまたその時は頼みますわ。」

と言ってかわしました。
電気工事は先輩と2人1組で動いているので、どんなに揉めても帰りは一緒に帰ります。その日の帰りは無言で暴走族の話もなくてしんどかったのを覚えています。

エピソード2

ある日その時は先輩とではなくて、社長と一緒に長谷工のマンションのモデルルームの配線をしていた時です。
天井の照明を社長が取り付けていて僕がその照明器具の梱包をバラしていました。そして社長の取り付けの頃合いをみて照明器具を持っていく事で社長の手を止めないようにやっていました。
黙々とバラしていると、突然社長のいてる方から怒鳴り声がしてきました。
社長は脚立の上で作業していて、僕も社長のスピードに負けないようにと結構なスピードでバラして持っていたので、社長が汗をかいていたのを見ていたので、早くやりすぎて休めなくて疲れて脚立から落ちたのかなと思い大慌てで、現場に入りました。
するとそこには社長が脚立の上から長谷工の現場監督と胸ぐらを掴みあっていて、他の人が遠巻きに見ている状態でした。慌てて社長を止めにいきました。すると社長が、

「何止めてんねん。この若い奴がしょうもない口聞くから絞めたらなあかんねん」

と怒鳴る。すると監督は、

「お前なんて言う会社じゃ、出禁にするからなー舐めんなよ。」

と言って殴ろうとするので、間に入って、とりあえず胸ぐらを離して、社長を背にして監督にすいませんと謝って、何回も謝ってると監督はおさまったのか現場事務所に帰って行きました。
今度は社長が収まりがついてなかった様で、社長に、

「お前はどっちの味方や、謝る必要なんかないのに謝りやがって」

と怒鳴られます。なので、

「でももしホントに出禁になったら仕事なくなりますよ。この仕事の為に半年空けてるんですよね?」

と言うと、

「あんな若い奴にそんな事できるかー、他の奴に電気工事今から頼むの無理やからなー。」

と言うので、

「若くても監督ですからねー
大丈夫ですかねー」

と答えた。まー殴る前に止められて良かったとは思いましたが、この時点でこの会社辞めようと決める出来事でした。
そしてその後やはり監督は監督でした。
マンションの仕事は入ってこず、手が空く事になったので、ひと月程導線の被覆を剥いて中の銅線を取り出してそれを売りに行くってのをしてました。

その後はこの件があって無理やり仕事を取ってくるので昼の仕事を終えて帰りに電話があってそこから百貨店の惣菜売り場の改装の仕事を朝までしたりしました。その時に朝から寝てないので、ぼーっとしててニッパで活線(通電している線)を切ってしまい火花が出て、現場のブレーカーが落ちたりしました。大事にはなりませんでしたが、それで完全に目が覚めました。ニッパが電気で溶接された様に開かなくなってました。
1人親方のオッチャン達には結構その後も褒めてもらったのですが、この会社はダメだと思い辞めました。
ここで電気の配線などの基本的な事は学びました。資格が無いのでさわれませんが、スイッチの交換とかは自宅でしたりしています。

この後無職の間にオーストラリアで結婚式を挙げました。
今考えると貯金なし仕事なしで良く結婚してくれたなと嫁と嫁の両親には心から感謝しています。
この話はこの辺で・・・

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