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いつの時代も自身を正しく認識していれば活路が見いだされるという話

経営環境や社会情勢、人々の行動変容は常に起きているので商品も事業も時代に合わせて変化していかなければならない。基本的に、永久に売れる商品や永久にやっていける事業など存在しない。

安定したポジションにいる人はまずはこのことを真正面から受け止めることだ。

いま自分がやっているビジネスモデルがあと何年でダメになるのか、どういったことが起こると自分のビジネスがうまく回らなくなるのか、いつまでに何をしなければいけないのかを考え、可能であれば的確な手を準備しておく、若しくは実行しておくと良い。

今の時代は、相手と自分の立場がいつ逆転するかわからない非常に不安定な時代なので、自社のビジネスモデルだけでなく、競合他社のビジネスモデルもきちんと理解し、他社と自社の有利・不利な位置取りも考えておくと良いだろう。

織田信長は、長篠の戦いで当時圧倒的な強さを誇る武田の騎馬軍団を「鉄砲」の導入によって破った。武田からすれば脆弱な織田軍に負けるなどとは微塵も思わなかっただろうが、鉄砲の登場により戦にイノベーションが生じ、あっさりと敗れた。

この「長篠の戦い」のようなことが、いつどこの業界で起きても不思議ではない。

武田が織田より先に鉄砲を手にしていたら武田軍は圧勝していただろう。だが織田は時代の流れを武田より先に読み、自軍の弱みである兵力の脆弱性を鉄砲という最新技術で埋めることで時代の波に乗り、他者を圧倒した。

当時の武田軍は圧倒的戦力を持っていたので「負けるわけがない」と慢心していたのかもしれない。だがこのようなことは現代社会でも頻繁に起きる。以前のnoteにも書いたが圧倒的な資産・資金を有する企業が思いもしない企業の参入によって大敗する事例は枚挙に暇が無い。

兵法で有名な『孫子』の一節に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉がある。

これは、敵の実力と、自分の実力の両方をきちんと知っていたら、戦において負けることはないという意味だ。まずは自社の強み・弱みを把握し、そして他社の強み・弱みを分析したうえで戦略を練ることの重要性を表している。

忘れてならないのは、この孫氏の一節は「敵を知り己を知る」だけの評論家になれと言っているのではなく、戦いを前提としている点だ。
安定した状況に胡坐をかくのではなく、虎視眈々と攻めてくるライバル達に対し、いつでも対応できる態勢を作っておくことが重要だ。

いつか来ることはわかっているが、それはまだ先のこと、その時がくれば何か考えるよという認識では時代の波にあっという間にのまれてしまう。

頭で変化の兆候を察知した時にすぐに手を打ち始めることができるよう、頭と行動を連動させておく必要がある。

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