高校生の輝きに魅せられて

 この記事は私の大学生活におけるオーケストラの活動を記録しようとしてはじめた連載の2つ目の記事である。と言いながら、タイトルは「高校生の輝きに魅せられて」という自分のことではなく自分の後輩たち、そして自分の過去についてだ。前回では大学生の輝きについて語った。しかし、高校生の輝きは彼ら以上だった。眩しすぎた。そんな高校生の輝きについてと、自分の高校時代の回顧を少ししてみたいと思う。

 ちょうど一昨日までの3日間、母校のコンサートのお手伝いとして参加してきた。OBOGは2年間はお手伝いとして現役のサポート(コンサートでのお手伝い)をするという役割が与えられている。もちろん強制ではないが、予定がなければ半数以上の人が参加する。そんなお手伝いとしての役目も今回がついに最後であった。あっという間の2年間だった。自分たちの代の最後の春のコンサートはコロナで中止になって、大学の入学式も無くなって気がつけばダラダラと大学2年まで終わってしまった。ついにOBOGのお手伝いまで卒業の時が来てしまったのだ。しかし彼ら(現役生)にとってこの2年間はとても怒涛のものだったであろう。コロナ禍における部活動のあり方というのはとても難しいものだったと察する。今回もコンサートに向けて許された練習は平日3日以内という大変厳しいものだったようだ。それでも彼らの演奏はクオリティを落とすことなく、むしろ私たちが現役だった頃よりもレベルの高いものを見せてくれた。何より舞台からは、演奏できることの喜び、誰かに披露することができる喜びがひしひしと溢れ出ている。こんなに心動かされる体験なんて滅多にないというくらい彼らの輝きに押し潰されそうなくらい圧倒された。自分が舞台に立っていた時には決して気が付かなかった輝きだ。中学生だったことはそんな彼らの輝きに魅了されて入学を決意したのに入ってからは気がつけばうまくいかないことばかりで、自分たちが輝いていることなんて忘れてしまっていた。必死という言葉が似合っていた。いい演奏をしたい、その想いはいつも胸にあったけど輝こうとは思っていなかった。第3者にならないと決して見えないものもあるのだなと思う。輝きは滲み出るものなんだなと。もちろん、現役の頃も本番に胸打たれるような瞬間もあったし、最高にうまく行った瞬間もあった。でもこんなに輝いているだなんて、卒業して部外者にならないとわからなかった。OBになって外から改めて見るのも楽しいものだなと感じた。

そんな彼らに魅せられて、そしてOBOGとしての活動を終えて、改めて卒業という言葉が頭に浮かんだ。もちろんとっくの2年前に卒業しているし、卒業式はなかったけどとっくに心の整理はついて今は大学生活を楽しんでいる。それでも、ああ、今もう一度ここから卒業する時なのだと感じたのだ。

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