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ライティングスキル|文章が生まれるプロセスを掴む【表現力を磨くには】

あなたは、普段どのようなことを考えて文章を書いていますか?

そもそも、「文章」って何なんでしょう?

「文章」が生まれるまで。言葉をつづるとき、どんな人も、実はいくつかのプロセスを無意識のうちに経ています。

そして「文章がうまく書けない」「上手に書けない」「学んでいるけれど、なんだか知りたいことと違う」そう感じるのは、この『プロセスの違い』を見落としているからなのです。

■心に響く文章を書くには

文章といっても……そのまえにあるのは「私が、なにを感じて、なにを伝えたいか」という「表現に対する、内から湧き上がるような思い」です。

chatGPTによって、文章自体はあっという間に書ける時代になりました。
でも、人の心に本当に響く文章って、感情がのっていると思いませんか?

私はAIが書いたセールスライティングがすぐにわかります。
もちろんkindle本もです。
そこには、内から湧き上がる「伝えたいことへの情熱」がないから。
(もちろん、chatGPTが悪いってことじゃないですよ!私もセールスライティングは苦手なので、ベースを作ってもらうことはありますしね)

「人の心に響く」
「感情がのっている」
「私らしい文章」

それを叶えるために、なにが必要なのか……
まずは文章化のプロセスを明確にしてみましょう。

【文章化のプロセス】

1段階目:言語化(語彙の選択)
「心の中でモヤモヤと浮かんだことを、言葉に変換する作業」

2段階目:文章構成(型・スキル・ストーリー)
「変換した言葉を、どう表現するのか」

3段階目:レトリック(文芸技法)
「その表現を、自分の五感やセンスを使って、オリジナルに仕上げる作業」

1つ1つ確認していきますね。


▶1段階目:言語化(語彙の選択)

心の中に浮かんだ感情や思いを、言葉にする最初のステップ。

実は、ここを見落としている方が、とても多いと感じます。
小手先のライティングテクニックや文芸技法を学んでも、この「言語化プロセス」が十分でないと、思いの伝わる文章にはなりません。

・何を感じたの?
・どう感じたの?
・それはなんで?

これは思考を深め、その理由を明確にしていく作業です。

大切なのは、「感じたこと」と「理由」をつなげておくこと。

「こんなことがあり、うれしかった」→「なぜ、うれしかったのか」

たいていの方は、「うれしかった」だけで終わっています。
そこに「なぜ、うれしかったのか」=理由 をつなげておくのです。

それを繰り返していくと、思考のベースが深堀りされて、深みのある文章を書けるようになります。ここはAIには代替できないところ。思考と理由が固まることで、文章の軸がしっかりできあがります。


▶2段階目:文章構成(型・スキル・ストーリー)

次に来るのが、構成の型やライティングスキルです。

プリンセスストーリー、ヒーローズジャーニー、神話の法則、PASONAの法則……

このへんは、よくライティングアカデミーなどが教えている内容ではないでしょうか。Webライティングなど、基本的に押さえるべき「ライティングスキル」の部分です。前回記事にしている部分ですので、よければぜひ。

また、一定の型に当てはめると、心に届きやすく、破綻しない文章が書けるようになります。私も型はいくつか持っていますしね。

自分の「書きたいもの」や「目的」によって、必要なスキルは変わります。例えば、「書くことでお金を稼ぎたい!セールスライターになりたい!」なら、NLPやPASONAの法則は知っておくといいでしょう。

ただ、エッセイなど思いの表出をメインにしたい方の場合、この型を意識しすぎるとうまくいかなくなることがあります。主題を決める、などの基本的なことは押さえつつ、次のレトリックに重きをおいたほうが、「わたしらしい表現」を楽しめるのではないでしょうか。

▶3段階目:レトリック(文芸技法)

構成の型にそって、それなりの文章を書く。
これは、わりと多くの方が到達できるところです。
差をつけるのは、文芸技法、レトリックで表現の幅を広げる3段階目です。

レトリックとは、言い回しによって相手の感情に訴えかける、いわゆる「言葉のあや」みたいな部分。簡単にいうと、オノマトペを使ったり、比喩を使ったりして、表現を豊かにする作業です。

難しい言葉を使うのではなく、頭の中でありありとイメージさせたり、五感に訴えかけるようなたとえ話を使ったり、リズム感をつくって体に訴えかけたり。

ここを伸ばすためにも、1段階目の「思考と理由」を明確にしておくことが大切です。土台がつかめていなければ、たとえようがないですからね。
むしろ、1段階目がしっかりしていれば、いかようにも表現を広げることは可能になります。


素晴らしい文芸作品やエッセイは、このレトリックがとにかく巧みです。おそらく、書くことが好きでnoteにいらっしゃる方々は、このスキルがすごく高いのではないかと思います。

とはいえ、なぜか「私、なかなかうまく書けない……」とおっしゃる方もいます。そんな不安があるときは、まず1段目の「言語化」と、2段目の「型」をちょっとだけ意識してみるといいかもしれません。
(おそらくこのレベルの方は、「言語化」をちょっと意識するだけで、ぐっとよくなるのではないでしょうか)

■表現力を磨くのに語彙力は必要?

さて、1段階目で「語彙の選択」という言葉を使いました。

これは「思ったことを、自分の言葉に変換すること」という意味ですが、よく「文章力を上げるために、語彙力を高めなきゃ」という声を聞くので、この「語彙力」についても触れておきたいと思います。

語彙力。つまり、どれだけ多くの言葉を知り、使いこなせるかという力のこと。

まず、私個人は、そこまで「語彙の豊富さ」にはこだわらなくてもいいと思っています。もちろんさまざまな言葉や言い換えを知っていれば、そのぶん表現の幅を広げることができます。しかし現代において「小難しい表現」「聞きなれない言葉」は、あまり好まれないのでは、と個人的には思うのです。

大学時代、こんな後輩がいました。
最近覚えたての小難しい言葉を使いたくて、小説にその言葉をむりやりねじこんでみたのでしょう。通して読むと、その部分だけ違和感が際立っています。普段使わない言葉ですし、描きたい雰囲気からもずれていました。
「なぜこの表現を選んだの?」
と聞くと、「なんか、かっこいいと思って……」とのこと。

うん、そうだよね、それがすごく出てしまっている。

普段から小難しい言葉を好んで使う方ならまだしも、ちょっと文章をかっこよくしたいがために、難しい表現を入れる必要はないのです。それなら、情景をありありと感じさせるようなレトリックを組み込んだほうが、よっぽどレベルの高い文章になります。


自分が普段使っている言葉で、思っていることを、自分らしく書く。
それが一番だと、私は思います。

へんに装飾したり人の手を入れたりすると、なんだかおかしくなってしまうことも。それは本人の思い=言葉とずれてしまうから。

素直に書く。それが一番心に届くことなんですよね。

■言語化を習慣化すれば書くのが楽になる

このステップで一番大切なことは、やはり「言語化」にあると思っています。

まず、土台にある思いを自分で自覚しなければ、深めることも表現することもできません。

実をいうと、大学時代に小説家になる勉強をしていた私が
「私、書けないわ……小説家で食っていくことはできない」
と思ったのも、根底となる『言語化』が圧倒的に足りていなかったからなんです(これは大人になってから気づきました)。

書きたいことも、思考も、理由もふんわりとしているから、表現しようがない。そんな状態でした。

今は毎朝、言語化トレーニングをしています。紙に思いを書き出していくという簡単な作業ですけれど。書くのが苦手な方、自分の思いを伝えるのが苦手な方も、つまずきポイントはこの「言語化」にあると思うんです。

そして、私のところに来てくださるkindle出版受講生さまも、多くがこの「言語化がうまくできていない」状態です。もともと「書きたい」と思っているので、ヒアリングをしてちょっと引き出すと、ぐんぐん書ける方もいますが、たまになかなか進まない方も。そんなときは、とにかくまずは箇条書きでいいので、アウトプットしてもらいます。

一言書き出す。そしてそこから、つながったものをどんどん書き出す。
モヤモヤした思考をひとつ言葉にすると、芋づる式に思考が湧いてくるものです。


もしこのnoteを読んでいるあなたが、もっとうまく書きたいな、思ったことをうまく書けないなと思っているなら、今回お伝えしたことをちょっと意識してみてください。
もちろん私もまだ修行中。いっしょに文章力を磨いていきましょうね。

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